黒澤明監督の作品は、一時期レンタルして殆どを視聴した。「影武者」は見るのに苦労したが、初期のモノクロ作品は、とても面白かった。「椿三十郎」や「七人の侍」等は本当に傑作だと思う。私は、黒澤監督の様な大監督をコメントできる立場ではないが、いずれも芸術性もさることながら、優れた娯楽作品であることが素晴らしいと思う。
当作は、その黒澤明監督の「生きる」をリメイクしたものだ。
オリジナル作品も過去に見たが、詳細な部分はほとんど忘れてしまった。リメイク版は英国が舞台で、背景の味付けに紳士の伝統的な生活が描かれている。
役所勤めの初老の主人公は、ある日、自分の余命が半年程度であると告げられる。
ショックのあまり、役所を無断欠勤してお酒を飲んだりナイトショウを見たりするが満たされない。息子にそのことを話そうとするが、息子は嫁と一緒になって気にも留めてくれなかった。
役所の部下で、転職希望の女性と食事をして話を聞くうちに、
陳情のあった公園作りに余生を掛けようとする。
演出として良かったのは、公園作りを決心して行動を開始した主人公の姿で切って、直ぐに本人のお葬式に変えるところだ。
当作の様な設定だと死ぬ瞬間を長々と流して持て余してしまうが、プツンと切って、後は後日談にしたことで印象が深まったと思う。
アマゾンプライムで視聴