実話の映画化なのでコメントのしようがない。二宮和也 「浅田家」 | 映画と音楽のある生活

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 二宮和也は、渦中の芸能事務所から独立したそうだけど、不思議な俳優さん(?)だ。クセがないというか、どんな役にでも対応してしまう。特に〇〇を演じるから役作りをするというのもしないそうだ。(引用wiki)しかし、それぞれの役にハマって見えるから大したものだ。

 当作は電車の中吊り広告を見ただけで、全く予備知識を持たずにアマゾンプライムで視聴した。

 今回のニノは写真家を目指す若者を演じている。ただ、相当ユルく、ある時に帰省したら全身に入れ墨をしていたり、専門学校をなんとか卒業したものの、3年間もパチスロをして遊んでいたりする。要するにフリーターの様な若者だ。

 ニノの家族の「浅田家」は母親(風吹ジュン)が看護師をして家計を支えており、父親(平田満)は主夫的な存在だ。そんなニノを父親の代わりに正業に就いている兄(妻夫木聡)がブラブラしてないで、ちゃんとした仕事に就けと説教をする。

 写真家になりたいとうニノが始めたのは、家族がなりたかった職業にコスプレして家族写真を撮ることだった。これに付き合う家族も相当にユルと思う。

 この家族アルバムを持って、上京したニノは幼馴染(黒木華)のアパートに転がり込む。写真スタジオの助手をしながら「浅田家」の写真集を出版社に売り込むが、なかなか相手にされない。

 ところが、偶然に出会った出版社で写真集を発行すると売れ行きは不調だったものの、写真の芥川賞というべき賞を受賞してしまう。

 ここら当たりが「作り話」だと安易過ぎるとツッコむところだが、事実と言われるとコメントのしようがない。

 ニノは、受賞後に家族写真専門の写真家として人気が出て様々な家族の写真を撮ることになる。そんな中、東日本大震災がおこって、、、、。

 私自身、東北に住んでいた頃に家財のみだったけど被災した身の上なので、安易に同災害を取り上げて欲しくないと思ったが、被災した家屋からアルバムを回収して1枚づつ写真を洗うというエピソードも事実なので、これもコメントは差し控えます。 

 作品を総括してコメントすると、原作が小説でないので全体のストーリーは弱いと思う。それでも、最後まで見せるのは「浅田家」や周りの人々を演じた豪華俳優と、泣かせるネタの鉄板といえる「家族」をテーマにしているからだろう。