クエンティン・タランティーノ監督の映画は、「イングロリアス・バスターズ」と「ジャンゴ」くらしか見ていない。でも、圧倒的に印象に残っているのはこのキルビル1&2だ。
この作品に有名な俳優さんが多数出演し予算を掛けて作っているのが流石というべきか?信じられないと言うべきか?キルビル1の方は見ていても、ほとんど訳が分からない。(もともと、監督は1つの作品にしたかったらしいけど、長すぎるので2つに分けたそうだ。)途中でアニメまで挿入されているし、なんだか日本的なものをごっちゃにしてラストのユマ・サーマンとルーシー・リュウとの対決にすすむ。この時にユマ・サーマンが着ているライダースーツは明らかにブルース・リーの「死亡遊戯」を意識したものだ。ここでのルーシーの部下の「ケイトウ・マスク」の一団とのチャンバラで血しぶきをあげ過ぎた為、「R」指定となったらしい。NHKのフランス語講座に出ていたジュリー・ドレフュスの腕を最初に切り落としている。
日本人も千葉真一の「服部半蔵」等が多数出演しているが、異彩を放っているのが、栗山千明の「ゴーゴー夕張」だ。ブレザー風の女子高生の制服は「なーちゃって」なのはもちろんで、「空飛ぶギロチン」をインスパイヤした武器でユマ・サーマンと戦っている。「バトルロワイアル」での気の強い女子中学生の役が監督の目に留まってのオファーらしいけど、最後の目から血を流して死んでしまうシーンを見ると、今の彼女なら出演を断るのではないか?
キルビル1で、ルーシー・リュウや栗山千明を倒した主人公は、2では、碧眼の女殺し屋に扮したダリル・ハンナと戦う。ダリル・ハンナも昔は、アイドル女優だったのに!
ラスボスのビルをデヴィッド・キャラダインが演じているのも「燃えよカンフー」のパロディに思える。
最後まで、オマージュにあふれた「おもちゃ箱」の様な作品だ。