30代の頃は、映画館に行くこともめっきり減って、もっぱら退屈しのぎにレンタルビデオを借りて来た。これは、そんな中でも好きだった作品です。
B級映画という言い方は、けっしてケナし言葉ではありません。スパイスの効いたB級映画こそ映画の醍醐味だと思います。
この作品は、「クラボイズ」と名付けらた地底に生息する人食いモンスターが出てくるパニック物です。
荒唐無稽と言えばそこまでなんですが、地表の振動で獲物を察知して地中から突然襲うという習性は、「砂漠版ジョーズ」とも言えます。
この作品をおもしろくしているのは、人間側の登場人物達です。ネバダ州の片田舎の村で人口が10ちょっとしか居ないという設定でケビン・ベーコンと相棒の流れ者便利屋二人が主人公です。この二人、いかにもフリーターという気楽な性格で、モンスターに襲われながらも、ゆるい掛け合いをしながらピンチを脱出していきます。そこには悲壮感は、ほとんど無く安心して見ることができます。
この二人に地震研究をする為にやってきた女子大生のヒロインが加わります。
また、このヒロインがルックスも含めてB級映画の味わいを出しています。ちょうど「ターミネーター」の当時は無名だったリンダ・ハミルトンの雰囲気を連想させます。モンスターに襲われ、有刺鉄線に足が絡まり、とっさにケビン・ベーコンがジーンズを脱がせて助けるのですが、太目の太ももが出てくるだけで、全然色気溢れる「サービスシーン」になっていないのも素晴らしいと思いました。
B級映画のあるあるで低予算作品なのですが、モンスターの造形等にはお金を使っている様で、そこらへんにチープ感はありません。
なかなか、おもしろい作品だと思います。
BSテレ東で再視聴