原田知世 時をかける少女「その後、様々な形でリメイクされた名作」 | 映画と音楽のある生活

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 小学校6年の時にNHKの少年ドラマで「タイムトラベラー」を見た。

筒井康隆のジュブナイル小説が原作だが、多くの問題作を世に出した>筒井であるのに、映像化されるのは「時をかける少女」と「七瀬シリーズ」ばかりなのは、本人も面映ゆいのではないだろうか。

 83年の映画「時をかける少女」は、原田知世のデビュー作で大林宣彦監督の「尾道3部作」の2番目の作品と言われている。

大林監督の作品は、デビュー作の「ハウス」も見ていたし、前年公開の「転校生」も見ていた。薬師丸ひろ子と松田優作主演の「探偵物語」の併映だったが、断然「時をかける少女」の方がおもしろかった。

 大林宣彦監督の独特の架空の世界で繰り広げられるファンダジーで原田知世もこの作品にハマっていたと思う。ショートヘアにクラシックな制服。赤いカーディガンを着て下駄ばきで尾道の坂の多い街を歩く、、、。ノスタルジックな雰囲気にぴったりだった。

 「ねらわれた学園」で薬師丸ひろ子の相手役であった高柳良一には、わざと「棒読み」でセリフを言うように演技指導したとのこと。作品自体が空想世界ある当作では、この「セリフ棒読み」が良く似合っていたと思う。脇役では岸部一徳と根岸季衣が、いい味を出していた。

 ヒロインが主題歌を歌うのは、この頃のカドカワ映画のお約束であったが、ラストに原田知世が作品の全場面をタイムトラベル同様に横断しながら歌うエンディングは秀逸だった。

                    83年に映画館で視聴