燃えよドラゴン ブルース・リー「東洋人がハリウッド映画の主演をすること」 | 映画と音楽のある生活

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  言うまでもないブルース・リーの出世作である。日本で公開された時には、主演のリーは既に他界していた。

 ストーリーは、007のドクターノオをインスパイアして作ったという。イギリスの諜報部員が東洋人が作った秘密基地を壊滅させるという内容は確かに同じである。敵役のボスが義手というのもドクターノオだ。但し、ドクターノオは両腕が義手だったけど。

 当初の違和感としては、私の感覚だとこの作品はリーの主演映画だが、最初のタイトルクレジットを見る限り米国人ジョン・サクソンとダブル主演とも見える。ハリウッド俳優のジョン・サクソンの風貌は、なんとなく007を連想させる。ただ、彼が空手には素人であることは最初に見た時にすぐ分かった。なんと最初のシナリオだと、ラストにボスと対決するのは友人のウイリアムスを殺されたサクソン扮するローパーだったという。するとラストのリーの相手はマッチョのヤン・スエということになる。これは、これで見たかった気がするけど。

 だったら チャック・ノリスをローパー役に起用すれば良かったのだろうけど、当時無名のノリスと同じくほとんど無名のリーでは、興行的に作品が成り立たないという判断だったと思われる。

 ブルース・リーもそんなことでストレスが溜まっていたのだろうか?武道経験者同士のボブ・ウォールとの対決は凄みを増す。

 

 原題は、「ENTER THE DRAGON」直訳すると「ドラゴン登場」だが、当時話題だった司馬遼太郎の「燃えよ剣」から取ったという。(作者にはちゃんと断った上とのこと。) でも、ナイスな題名だと思う。

 冒頭のサモ・ハン・キンポーとのオープンフィンガーグローブでの試合は、打撃でダウンを奪って締め技で極めるという、その後の総合格闘技のモデルの様だ。