1962年に公開されたモノクロ映画。原作も有名である。吉永小百合が主演している。
吉永小百合は、団塊世代のアイドルと思っていたけど、この作品を見る限りパチンコ屋でバイトをするし、強姦されそうになるし、かなりの汚れ役もこなしている。
父親役の東野英治郎は鋳物職人で頑固だが飲んだくれで、おまけに失業している。黄門様と同一人物とは思えない。
吉永小百合は家が貧乏なので修学旅行にも行けず、高校進学も断念しなければならない身の上だ。
労働組合の活動が、旗を立てて肩を組んで歌を歌っている姿で描かれている。在日の人々が北朝鮮に帰還する姿も出てくる。
平成の時代に日本と北朝鮮がどのような関係になっているかは、この当時知る由もない。
鋳物の街として煙突からモクモクと煙がでている様子は、当時は繁栄の証だったかもしれないが、その後の公害問題を連想させる。最後に吉永小百合が演じるジュンが定時制高校に進むことを決心するのが、貧乏に負けない健気な美少女役の真骨頂と言えるだろう。
若い人たちの苦悩は、その時代で様々だけど、60年代の日本を想像するのには良い作品だと思った。
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