カジノロワイヤル「泥臭く、原作に忠実なボンド」 | 映画と音楽のある生活

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 カジノロワイヤルは、原作では第一作目に当たる。過去より映像化されおり手垢がついた為か、それとも著作権の関係なのかメインシリーズで映画化されることがなかった。クルーゾー警部で有名なピーター・セラーズが1967年に当作でボンドを演じたのは有名な話だ。

 満を持して6代目ボンドの第一作目が、このカジノロワイヤルである。制作側の熱の入れようもわかるというもの。

 公開当時、この作品を見た感想を日記にこう書いている。「スタイリッシュなボンドを期待していたら随分と泥臭いアクションだった。ダニエル・クレイグは、ボンドというよりスメルシュの殺し屋といった風貌だ。」どうも、私の中では、代替わりの違和感が強かった様だ。

 改めて見返してみると、とても良い作品だと思う。若返ったボンドが体をはったアクションをしており海辺では惜しげもなく鍛えあげた体を披露している。ル・シッフルに捕らえられ拷問に叫び声をあげるのはイメージが狂うけれど、それも新しい生身のボンドと思えば気にならない。悪役のル・シッフルを演じたデンマークの名優マッツ.ミケルセンも凄みを出している。

 また、ボンドガールの女優さんもお色気系ではなく、知的な感じでよかった。設定も、登場人物の名前も原作通りである。ボンドが愛して結婚しようと思った女性が死ぬのは、「女王陛下の007」の時からのお約束である。

 ダニエル・クレイグ=ボンドの最終作の公開が延び延びになっているが、待ち遠しいことだ。

                                                  BSにて視聴