エレキの若大将「昔、同時上映というものがあった。」 | 映画と音楽のある生活

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主に映画と昔聞いたレコードの感想などを書いています。

小学生の頃、若大将シリーズを何本か見た。なぜなら、怪獣映画と同時上映だったからだ。

 エレキの若大将は、若大将シリーズの中ではベストと言えるのではないか。昭和の結婚式の定番ソングの「君といつまでも」は,この映画の劇中歌として歌われている。 同じく同時上映の「怪獣大戦争」もキングギドラが登場する2作目なのだけど、ゴジラ映画では一番の名作だろうと思う。

 若大将シリーズは、ルックスは良いが役者として伸び悩んでいた「上原謙の息子」をなんとか売り出そうと東宝のスタッフが考えた苦心の策らしい。そこで一番の工夫というのが、引き立て役の「青大将」を共演させるというものだったという。それは大成功で、この頃では東宝を代表するヒットシリーズとなっていた。そのピークだったのが、この作品だったと思う。

 シリーズを共通してストーリーのパターンは決まっている。最初、マドンナも関係する本当は青大将が原因のトラブルに巻き込まれた若大将が大学退学や親からの勘当を受けながらも最後は解決し、また所属する運動部の大会でも優勝してハッピーエンドで締めくくるというものだ。

 この作品では、楽器店の店員という設定のマドンナ星由里子への交通事故の賠償金を稼ぐためにエレキバンドの勝ち抜き合戦に出場する。ライバルの銀行家のドラ息子や青大将に妨害されるが、バンドでも勝ち抜き、また所属しているアメラグ部の大会でも優勝して、その功績が認められ退学処分が解かれる。最後は、実家である「田能久」で優勝祝賀会をして「めでたしめでたし」である。なんとも昭和というか、高度成長期のお話である。

 この作品を見て私はゴジラよりも若大将のファンになった。でも、この同時上映?なんとも、どの年齢層やどの客層を対象にしているのか不明な組み合わせだ。私は映画館では見ていないが、この前々作の「ハワイの若大将」ではオカルト変身怪人シリーズの「マタンゴ」と同時上映だったという。その組み合わせは、今でもミスマッチの同時上映として語り継がれている。

                                                    映画館で視聴

 

追記

怪獣大戦争でゴジラは当時人気の「おそ松くん」のイヤミ氏の「シェー!」をやっている。恐怖の怪獣ゴジラが「シェー!」をやるのである!是非、ハリウッド版ゴジラでもキングコングと戦う際に「シェー!」をやってもらえたらと思う。