ベストキッド「ハリウッドのオファーを何度も間違えた?」 | 映画と音楽のある生活

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 三船敏郎という人は、ハリウッドのオファーをどれだけ間違えたのだろう?「スターウォーズ」のオビワンのオファーを受けていれば晩年の代表作になったこと間違いなしだ。そしてスピルバーグの作品だからと受けたと思われる「1941」はコケて、そして、この作品のミヤギへのオファーである。

 「ベストキッド」原題は途中から「カラテキッド」最初は「moment of truth」(真実の瞬間?)だったそうだ。いつの頃から洋画の題名は原題をそのままカタカナ表示することが多くなったが、「ベストキッド」でも「カラテキッド」でも、どちらでも良いような気がする。むしろ「カラテキッド」の方が内容にマッチしているのではないだろうか? ロッキーのジョン・G・アヴィルドセン監督の作品で、公開当時は「少年版ロッキー」という売り文句だった。

  主演のラルフ・マッチオ君は甘いマスクだが、役柄通り弱々しく、この映画の最大のフラストレーションはカラテとタイトルがあるのにミヤギを演じたノリユキ・パット・モリタもラルフ・マッチオ君もカラテの動きがダメで「これで相手が倒れる訳ないだろう?」と突っ込みを入れたくなる。そこでリメイク版では、ジャッキー・チェンがミヤギを演じたが、アクションシーンは良かったが、作品全体に魅力を感じない。やっぱりこの映画の良さは、主演2人のキャラクターがあってこそだと思う。

 三船敏郎には申し訳ないが、ワックス掛けやペンキ塗りをさせる不思議なトレーニングや、マッチオ君が大会で優勝した後、にんまりしたミヤギのアップで終わるラストシーン等、パット・モリタのとぼけた味でなければ、この映画は成り立た無い様に思える。

 また、この映画でブレイクしたガールフレンド役のエリザベス・シューも、ちょっと太めのお嬢様役でハマっている。

                                           NHK BSで視聴