知的生産を高める方法や考え方を解説する。
筆者の体験や実際に活用しているテクニックを数多く紹介しているため説得力が高い。語り口もやわらかくて読みやすい。

タイトルの「新」とは、語り伝えられている名著「知的生産の技術」を意識したものなのであろうか。だとすればかなり勇気のいるネーミングだったと思う。

これまでの類似の本が紙と筆記具が中心であったが、様々なITツールやWebサイトを取り上げていることが大きな特徴である。

本書を通してはITツールやWebサイトのほかにも、推薦図書が数多く取り上げられており、参考になる。徹底的に効率化を考えている本書の中で小説も紹介されているのは意外だった。

筆者がお勧めする具体的なツールやテクニックの解説と、一般論としての抽象的な考え方が同列に並んでいて、やや混乱する。太字にして強調する抽象レベルも統一感が無い。別々の本を一冊に混ぜた印象を受ける。

その違和感さえ除けば、数多くの示唆が得られるだろう。
効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法/勝間 和代
¥1,575
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アメリカの一都市、デンヴァーの古書店街を舞台にしたハードボイルドミステリ。

人物描写もストーリー運びもうまいし、最初から最後まであきさせない。
何より著者の古書に対する愛情を感じる。

アメリカは歴史が短い分、古書や骨董品への執着が大きいのかもしれないと、ふと思った。

半ばで主人公が巡査部長が警察を退職し、古書店を開く展開には驚いた。
死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ジョン ダニング
¥840
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フランスの婚姻形態の実態について、数多くの事例や社会学者などの見解を紹介し、婚姻制度の現在と未来を考察する。

そのまま日本に当てはまるわけではないが、「自由の果てにどんな風景が可能なのか。彼らの姿を借りて」報告している。「婚姻制度は危機にあるかもしれないが、家族は危機には無い」

目次
 第1章 非婚の時代
     婚姻制度にとらわれず、様々な家族の形態を模索する人々を紹介する。

 第2章 誰だってシングル
     シングルであるがゆえに、パートナーや家族・親族との様々な関係を維持・構築していく人々を紹介する。

 第3章 シングル・マザーは泣かない
     シングル・マザーという道を選択した人々が手にした豊かさ、あるいは問題を紹介する。

 第4章 パパ、SOS!
     フェミニズムや五月革命によって、「父親」の存在感が希薄になってしまった問題を紹介する。

 第5章 人工生殖の問いかけるもの
     幸福のための出産を追いかけて人口生殖までたどり着く現状と、その倫理的問題を紹介する。

 第6章 複合家族
     パートナーとの別れによって、家族が複合的になっている現状を紹介する。

「結婚は社会制度としての価値を失い、あくまで私生活上での選択肢の一つになった」という現実が広まっていく中で、人々が何に幸福を感じ、追い求めているかを多くの事例を通して考えていく。

また、社会はそうした現実をどのように追いかけているのか、制度の不備による問題なども紹介される。

左翼的な主題だがイデオロギー的主張はほとんど無く、個々の事例を見つめているスタンスに好感が持てる。
フランス家族事情―男と女と子どもの風景 (岩波新書)/浅野 素女
¥735
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数学への愛情を織り交ぜながら、記憶障害を持つ元教授と家政婦との交流を淡々と描いた作品。

盛り上がりや事件などはほとんど起こらないのだが、登場人物に対して不思議な愛着を感じさせる。

「数」に対する素朴な面白さや愛情を真正面から取り上げ、しかも文学的に書いているのは珍しい。

記憶障害の方はそれほど効果的ではないように思える。

博士の愛した数式 (新潮文庫)/小川 洋子
¥460
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ミステリとしては謎解きがしっかりしているわけではない。捜査展開も少々つかみ所が無く、最後の解決もとってつけたような感じがする。

しかし、二転三転というより右往左往するストーリー展開や、真相へ食らいつこうとするモース警部のキャラクターに引き込まれてしまう。オックスフォードの描写もリアリティがある。これがイギリスミステリの魅力なのだろう。
ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)/大庭 忠男
¥714
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普通の人が日常で書く文章のためのノウハウを分かりやすく解説した本。

技法を凝らしたり構造を練ったりはしない。伝えたいことを伝え、相手を同感させ、こちらの希望するように動いてもらうにはどのように書けばよいかを説明する。

名文を目指すのではなく、読み手のことを考えて丁寧に書くことが大切であるとする。

目次
 第一講 打つか、書くか
 第二講 とはいうものの接続詞
 第三講 長短とテンマル
 第四講 ですますであるのだ
 第五講 しゃべくり文ですの
 第六講 伝えたいこと伝わるように
 第七講 近寄ってはいけない文章
 第八講 手紙の書き方の裏技表技
 第九講 実用文の書き方の裏技表技
 第十講 紀行文の書き方の裏技表技
 第十一講 随筆の書き方の裏技表技
 第十二講 文章上達のあの手この手

つい勢いで書き流してしまいがちな言葉も、その使い分けによって文脈の違いが生じてしまう。そこを細かく気遣って丁寧に文を組み立てることが重要であると分かる。

文章を書くときは、読み手との関係と目的を明確にすることも重要である。これは普段忘れがちなことであり、ともすれば自分の備忘録のような文章になってしまうのであろう。

メールは現代の短歌である、という指摘も面白い。
大人のための文章教室 (講談社現代新書)/清水 義範
¥756
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あまりにもバカバカしくて下品な短編集。
無理やり下ネタに持って行くが、空回りしていることに苦笑する。
肩が凝らない暇つぶしや、寝る前にぴったり。続きが気になって夜更かしすることはまずないし、短くてすぐ読み終わる。

とんかつアリバイトリックと地下鉄乗り換えトリックには素直に感心した。
六枚のとんかつ (講談社文庫)/蘇部 健一
¥750
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自己啓発本の定番中の定番。
「悩み」に対してどのように立ち向かい解決するか、心の持ち方や行動指針を紹介する。
さまざまな筆者の体験や豊富なインタビューが載せられており、至言・謹言が多数。

目次

 第一部 悩みに関する基本事項
 第二部 悩みを分析する基礎技術
 第三部 悩みの習慣を早期に断とう
 第四部 平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法
 第五部 悩みを完全に克服する方法
 第六部 批判を気にしない方法
 第七部 疲労と悩みを予防し心身を充実させる方法
 第八部 私はいかにして悩みを克服したか―実話三十一編


常に携帯して読むとまではいかなくても、折に触れ読み返したい本。袋小路にはまり込んだ時にいったん引き戻して指針を与えてくれそうだ。現在出版されている自己啓発本のほとんどが本書を元ネタにしているか、出発点にしているのではないだろうか。

各章・各部にまとめもあり、繰り返し読み返すのにも使いやすい。

フレーズだけ抜き出すと空々しく響いてしまうが、いくつか引用。

「今日一日の区切りで生きよう」

「一、「起こりうる最悪の事態とは何か」と自問すること
二、やむを得ない場合には、最悪の事態を受け入れる覚悟をすること
三、それから落ち着いて最悪状態を好転させるよう努力すること」

「一、問題点は何か?
二、問題の原因は何か?
三、いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?
四、望ましい解決策はどれか?」

「忙しい状態でいること。悩みを抱えた人間は、絶望感に打ち負けないために、身を粉にして活動しなければならない。」

「小事にこだわるには人生はあまりにも短い」

「避けられない運命には調子を合せよう」

「オガクズを挽こうとするな」

「やっかい事を数え上げるな、恵まれているものを数えてみよう」

「運命がレモンをくれたら、それでレモネードを作る努力をしよう」

「他人に興味を持つことによって自分自身を忘れよう」

「仕事中にくつろぐ方法を学ぼう」

「当面の問題に関係ある書類以外のものは全部机の上から片付ける」
道は開ける 新装版/デール カーネギー
¥1,680
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これを20年前に構想したことが最も驚くべきことだろうか。






完全に現実と同一レベルの完成度を持つ仮想現実世界を持つゲーム、クライン2。
そのテストプレイのために仮想現実へ出入りを繰り返す主人公。テストを進めるうちに身の回りに奇妙な矛盾が発生し始める。

「完璧な仮想現実」が出てきた時点で、仕掛けや最後のオチもほぼ決まっているようなものだが、400ページ超を飽きずに一気に読めた。

ただ、それほどサスペンス性は感じられない。
ミステリというよりSFに近い。

この仮想現実を実現する技術は現時点でもまったくめどが立っていないことを考えると、リアリティに乏しくなってしまう。

いっそのことファンタジーや並行宇宙ものの方が良いのかも。
クラインの壺 (講談社文庫)/岡嶋 二人
¥800
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刺激的で安っぽいタイトルだが、まっとうなマインドマップの本。

第1章で、これまでの文字中心で直線的に記述するノート法ではなく、脳のシナプスの働きに近い放射状に書くマインド・マップを提唱する。イメージも多用して左脳・右脳の潜在力を発揮させられる。

第2章でマインド・マップの書き方を練習する。コツとしてイメージや色を効果的に活用すること、階層と順位を意識してキーワードを選択選択することが重要であるとする。

第3章ではさらに発展させ、イメージを多用する、立体的に描く、色・矢印・符号を使う、といったコツを解説する。

第4章では目的別にマインドマップを使う例と、そのときのキーワードの選び方の例を紹介する。二者択一の決断力を高めるためのダイアディック・マインド・マップ、多次元的に思考を広げて分析力を高めるポリカテゴリック・マインド・マップなどの他、グループで作業を進めて複数人の能力を纏め上げるグループ・マインド・マップが紹介される。

脳を休めることの重要性についても言及される。

第5章ではどのようなシーンで使えるかを解説する。自己分析、問題解決、マインドマップ手帳、家族用、教育用、読書用、セミナー、会議、プレゼンテーションなどの例が事例と共に示される。

目次
 第1章 頭脳には、無限のパワーが眠っている
 第2章 マインド・マップで全脳パワーを全開させよう!
 第3章 放射思考を強化して、全脳パワーを発揮する
 第4章 目的別マインド・マップ・テクニック
 第5章 マインド・マップを自在に使いこなす応用編

頭に入出力しやすい記述方法として説得力を持つ。階層順位や強調が無ければニセモノだとしているが、階層化という効果的なフレームワークによる理解・分析を視覚化して行うことに大きな意味があるのだろう。ロジカルシンキングのMECEにも通ずるところがあるように思う。

放射状に思考を広げていく手法は、かなり昔に触れたことのあるマンダラートと似ているし、グループ作業によって複数人の知恵を集めるのはグループKJ法を思い起こさせる。思考法を探求すると似たようなところにたどり着くのだろうか。

フォトリーディングの手法はこの読書法から来ているのだろう。マインドマップ手帳で紹介されているスケジュールの記述法はぜひやってみたいと思った。

決断方法で、どうしても決まらなくなった場合はコイン投げを紹介しているのが面白い。コインの表裏の結果によってではなく、コインの表裏の結果を見た自分がどう感じたかによって結論を決める、という点がユニークだ。

全般的に宣伝色が強めな気がするのは仕方が無いところか。

これが驚異のマインド・マップ放射思考だ!!―これで他人を決定的に引き離すことができる