💊 診察も薬も、家から出ずに完結する時代
オンライン診療が、ずいぶん身近になりました。
スマホで予約して、ビデオ通話で医師の診察を受けて、処方薬は自宅に郵送。
通院も待合室もなしで医療にかかれるのは、素直にすごい進歩だと思います。
ところが最近、この便利な仕組みに「薬の定期購入」までセットになっているサービスがあると知りました。
調べてみると、便利さの裏に、なかなか考えさせられる構図がありました。
🔍 「飲み続ける薬」と定期配送は、確かに相性がいい
定期購入型のオンライン診療は、ニキビ治療、AGA(薄毛)治療、ダイエットといった分野で広がっているようです。
たしかに、毎日飲み続ける薬を毎回買いに行くのは面倒なので、自動で届く仕組み自体は合理的に見えます。
サブスクに慣れた身としては、「薬もそうなったか」という感想でした。
でも、実際に起きていることを知ると、印象が変わってきます。
⚠ 「やめたはずの薬が、また1年分届いた」
国民生活センターが今年6月、まさにこのテーマで注意喚起を出しています。
紹介されている相談事例が、なかなか強烈です。
効果を感じられず服用をやめたAGA治療薬が、1年後、医師の問診もないまま突然また1年分届いた。
返品を求めたら「1年ごとの定期購入に申し込んでいる」と言われ、サイトをよく見ると確かに記載はあったが、分かりづらかった。
ダイエット注射を1回試したら体に合わなかったのに、「注文と決済が完了した」というメールで定期購入だったと気づいた。
同センターは「オンライン診療の受診後に処方薬を購入する場合、定期購入になっているケースが多くみられます」とはっきり書いています。
🕳 見た目は通販、でも法律上は「医療」だった
ここに、この問題の非自明なポイントがあります。
ネット通販の定期購入なら、近年規制が強化され、申し込み画面の表示ルールなど消費者を守る仕組みがあります。
ところが同センターの以前の発表によると、オンライン診療の処方薬は、医師の判断で処方が決められるため、消費者から見ると定期購入と同様の仕組みなのに、特定商取引法にもとづく取消しや解約が難しい場合があるそうです。
画面の操作感は通販そのもの、でも法律上は医療。
通販より保護が弱いのに、買い方の体験は通販と同じという、制度の隙間に落ちた形です。
実際、痩身目的のオンライン診療の相談は2021年の49件から2022年には205件へと急増していました。
💻 SEから見ると「摩擦を消すと機能も消える」話
システム作りの目線で見ると、これは「摩擦の設計」の話に見えます。
通院は面倒です。
でもあの面倒さには、「この薬、まだ続ける必要がありますか」と医師と確認し合う機能が埋め込まれていました。
診察の予約を取り、足を運ぶという摩擦が、治療を見直す自然なタイミングになっていたのです。
オンライン診療と定期配送は、この摩擦を見事に取り除きました。
その結果、見直しのタイミングも一緒に消えて、「やめると言わない限り届き続ける」がデフォルトになった。
UXの改善で摩擦を消すとき、その摩擦の中に大事な機能が隠れていないか。
仕事でも肝に銘じたい話でした。
💭 使うときの心構え
念のため書いておくと、オンライン診療そのものは、通院が難しい人にとって大切な仕組みです。
ただ、申し込む前に「1回だけか、定期か」「解約の条件はどうなっているか」を確認する。
そして、ダイエット目的での糖尿病治療薬などの使用は、安全性と有効性が確認されていないと明記されています。
不安になったら、消費者ホットライン「188」へ。
このあたりを知っているだけで、便利さを安心して使えると思います。
💡 「診察のつもりが定期購入」を防ぐ整理
・オンライン診療後の処方薬は「定期購入になっているケースが多い」と国民生活センターが注意喚起。やめたはずの薬が1年分届いた事例も
・見た目は通販でも法律上は医療。特定商取引法にもとづく取消しや解約が難しい場合があり、通販より保護が弱い隙間がある
・申し込み前に「1回か定期か」と解約条件の確認を。通院の面倒さには「治療を見直すタイミング」という機能が隠れていた
皆さんはオンライン診療、使ったことはありますか?
※出典:
・国民生活センター 「ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意−処方薬の定期購入にかかるトラブルが目立ちます−」(2026年6月23日)
・国民生活センター 「痩身目的等のオンライン診療トラブル」(2023年12月20日、特定商取引法・相談件数)
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当記事は、Claudeで校正校閲を実施したものになります。