テクストの快楽って、オタクってことじゃんか | lamer1971のブログ

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テクストの快楽という個人的な読書経験の愉悦というのを称揚する言葉がフランス人により発明された。それを言ったらおしまいだろうと思う。私はテクストを愛する、これは読書体験そのものが幸福であるという居直りであり、シネフィルが映画の「映像体験」を愛すると言っているのと同じことだ。映画の内容はどうでもいい、「映画」が好きなのだ、という居直りである。

淀川長治とかそういう人だったと思うけどね。マニアは、内容より「映画」であることを愛するという楽しみ方で、とても一般向けではなく、古い世代のガチヲタなんだろうと思います。

「書物」を愛するという偏愛の仕方は、一般人には関係ない世界なのであって、ロランバルトやミシェルフーコーの読者にだけ関係がある趣味の世界だと思う。それを読書の楽しみだとするのは明らかに一般性がない。荒俣宏はガチヲタだけど、書物に一億円かけたことがあって、そういう偏愛を「読書の楽しみ」だと言うのは、教育として違うと思う。一般人は、書物そのものには興味がなくて情報に興味があるから本を買う。当たり前だ。モノマニアの戯言に付き合う謂れはないわけで、書物を偏愛する人は「特殊な趣味の世界」であって、それは勝手に金使って集めてくれというだけの話だと思う。