さて、前回は折る(初級)ということについてお話ししましたが、今回は「折る」の中級編です。※折る(初級)について書いた前回のブログはこちら
「折る」テクニックは奥が深いですよー。
さっそくスタート!
前回のブログでダンボールの中の「ナミナミ」の方向によって曲げやすさが違うとお伝えしましたが、この「方向」のことを「目(め)」とか「目方向(めほうこう)」と言ったりします。
これから先は本ブログでも「目」という言い方で使っていきたいと思います。
前回は・・・
「目方向」沿って折ると折れやすく

「目方向」に逆らって折ると折れにくいが、

ヘラ等で痕(折り目)を付けるとキレイに折れる

ということをお伝えしました。
ここからが中級編の本番
中級テクニック -その1-
狙った位置で「ズレ」なく折る!
ミリ単位の正確な寸法で折りたい(精密な工作の)場合は
「目方向」に逆らって折ってください
なぜかというと、目方向に沿った折り方だと「ナミナミ」が邪魔をして折り目が数ミリずれることがあります。
実際に見てみましょう。

ダンボールに直線を引いて「ヘラ」で折り線を入れます。

折り曲げて、

実際に折れた部分の中心に点線を書きます。

広げてみるとこの通り。
折ろうとした直線(実線)と実際に折れた点線の「ズレ」は2.5mmでした。
この2.5mm本当にバカにできません。というのは精密な工作や作品・製品は0.1mm単位で調整しているものがあるからです。
実際、この前のブログでお伝えした「教材用のダンボール製刀の開発」では握る部分の「折り」を0.3mmずらして調整しました。2.5mmもずれてしまったらお手上げです。
もちろんその部分は「目方向」に逆らうように折っています。※刀を制作した前のブログはこちら
この「目方向に逆らって折る」ということはダンボールを扱う会社などでは「常識」となっています。
みなさんも正確な位置で折りたい場合は「目方向」に逆らうように折りましょう。
中級テクニック -その2-
よりキレイに折る!
前回は目方向に逆らって折る際に「ヘラ」のようなもので「痕(折り目)」を付けてから折ることをお伝えしましたが、もっとキレイに折れるてしっかり角が出る方法があります。それは・・・
ミシン目を入れることです。
だいぶ前のブログで紹介した「リッパ―」を使って、ダンボールにミシン目を入れることで「キレイ」に「正確」に折れるようになります。※リッパ―を紹介した前のブログはこちら
下の写真はダンボールで作った「刀」の握る部分のアップです。
ミシン目を入れてキレイに折れているのがわかると思います。

さらに、ダンボール製兜に付属する置台の「柱」

非常にキレイにミシン目が入っています。これは機械で入れているものです。
折ってみると・・・

角が立っていて美しいですね。
これは製品としての例です。
角をキレイに見せたい場合は是非、ミシン目を活用してください。
それでは今日もサイコロを作っておさらいしてみましょう。
―サイコロを作って今日のおさらい―

まず、サイコロを広げた図形を切出して

折りたいところにミシン目を入れます。


はい、こんな感じになりました。
前回の「折り目」だけでで折ったサイコロと比較します



左が「折り目」のみ、右が「ミシン目」入りです。
角の感じが全く違いますね。
いかがでしたでしょうか。「ミシン目」というテクニックを使えば、よりキレイに折ることができるのです。
「目方向に逆らって折る」「ミシン目を入れて折る」是非、お試しください。
終わりに。カッターやはさみを使う場合にはくれぐれもケガなどに注意してくださいね。
何か聞きたいことがあれば質問してください(工作全般いけると思います)。可能な限りお答えします。
次回は「折る(上級)」について書いてみたいと思います。
ラリックでした。