ある年、親の病気で8ヶ月くらい実家に帰っていた。
そして福岡に戻ってきたら…。
「お、エレキンガール2号が帰ってきた」
なんだって?
それって私のこと?
エレキンガールって、なんなんだ???
ちょっと親父のバンドマンたちが、ベンチャーズバンドを始めたというのだ。
その名も「エレキング」。
ただ「おっさんがステージで歌もなく、ただギター弾いているだけじゃつまらない」っていうので、じゃぁ女のコーラスを入れよう…ってことになったらしい。
で、エレキング専属コーラスガールが、エレキンガール。
Little Felix でのコーラスの相棒Kが1号で、私が2号。
ベンチャーズサウンドが流行した時代を考慮して、
正体不明のサイケ・ガールズに扮せよというのである。
いつの間にかエレキングのメンバーとなっていた、Little Felix のベーシスト・照和伝説 の大将Nは、絵コンテまで描いていた。
「でもベンチャーズって、コーラスの出番なんてあるの?」
「踊っときゃいいとよ」
「・・・」
これは既に決定事項であって、私に選択の余地などなかった。
一種、プロジェクトと化していたエレキン軍団は、
メンバー5人(ギター×2、ベース、ドラム、キーボード)
MCキング
エレキンガール(1号&2号)
の総勢8人で、福岡、大分、長崎、そして対馬へと、
約半年間、営業ライブを繰り広げたのであった。
正体不明、年齢不詳のエレキンガールのぷりてぃーな(?)踊りは、
かなり好評だった模様。
内心、「実は年食ってるのよ、ごめんなさ~い」って思いながら…。
一応何曲かは、アーとかウーとかレッツゴーとかいうコーラスもあった。
でもやっぱり、ステージの飾りものっぽかったなぁ。
エレキンガールのラスト・ステージは、ハウステンボスJR全日空ホテル でのカウントダウン・ライブ。
このとき初めて、「Pretty Woman」「悲しき街角」を1曲ずつ歌った。
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- ベンチャーズ
- ベスト・オブ・ベンチャーズVol.1+Vol.2
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その後、このエレキンガールについて語るとき、どうしても「コーラス」と言うのがはばかられ、またダンサーと言えるほどでもなかったし、ついつい「踊り子でした」と言ってしまう。