バックコーラスというお仕事。 | ぽれっとLibrary

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日々徒然心のままに、音楽と、バンドと、本のことなどなどなど。。。

Little Felix の活動が、メンバーの仕事の都合でだんだん減ってきた頃、タウン情報誌で面白そうな募集記事を見つけた。
簡単にいうと、地元歌手のバックコーラス募集
もちろんボランティアではなく、ライブ出演の時にはギャラが出るという。

面白そうじ~~ゃん!

速攻で応募してみた。
履歴書か何かと、歌を入れたテープ。
面接が1回くらいあったかなぁ…。
なんとか選考に残って、しばしお仕事としてのバックコーラスをすることになった。

選ばれたのは、3人。
なぜか身長がぴったり同じだった。
もしや、身長で選ばれた?(…偶然だって言われたけどね。)

私たちがバックを務める当の歌手さんは、もともと2人組みだったのが1人になったので、バックコーラスやダンサーを従えたステージングに切り替えようという趣旨だったらしい。

1~2ヶ月間、コーラスやステージングのレッスンをして5~6曲仕上げ、
ライブ・デビューは福岡ドームの中のスポーツ・バーだった。

結構色っぽく、腰クネクネ系の振り付けだったんだけど、
どうも色気に乏しい私は一人だけ、ナマメカシサに欠けている。
色気のない私は、やればやるほど、面白くなるからイケナイ。
でも、こればっかりはねぇ…。

まぁ、主な仕事はコーラスなんだから・・・と思おうとしたんだけど、
結局は間違えたらいけないからとか何とかで、録音テープが流され、
一応歌ってマイクもオンしてたけど、半分以上口パク。。。
あぁ情けなや。

っていうか、初めからそれほど高度なものは要求されていなかったのかもしれない。
ステージの飾りとして、やっぱり「身長」で選ばれてたのかな。

数ヶ月間に片手で余る程度のライブをした。
祭りでのライブってのもあった。

ステージの後ろからその歌手さんを見ていて、
彼女が売れるのかなぁ…と考えたことは、実はない。
そのプロジェクトが目指しているものが見えなかったのだ。

彼女はダンスが上手くて、歌もレッスンを続けていたようだし、やる気があって一生懸命だったように見えたのだけど、何だか本人だけが頑張っている風情で。

事務所を挙げて本気でメジャーを目指すなら、
もっと組織的に、シビアに動くものだと思う。

そのうち事務所からの連絡が途絶え、関係者にそれとなく聞いてみると、倒産して社長が夜逃げしたということだった。
どうやら計画倒産らしいという話も聞いた。

私たちはギャラももらってたし、唐突に仕事が終わったという以外、特に被害も何もなかったから、「こんなこともしてたな~」という程度の、ちょっとした面白い思い出である。

でもたまに、あの時彼女はどんな気持ちだったのだろうなんて、
思ったりもするけれどね。
彼女の本気が、何かの道具にされたのでなかったことを信じたい。

◆  ◆  ◆

ところで最近知ったことがある。
倒産した事務所の社長は、その歌手さんと結婚したそうだ。

・・・ありそうな話。


※もしも当時の写真が出てきたら、追加でUPします。