7月3日(月)入院2日目。

 

朝7時45分に消化器外科部長の青柳先生が研修医の皆さんと回診にいらっしゃいました。

青柳先生はきらめき病院のHPに載るような高い役職のドクターなのに、早朝に回診されるとは驚きました。いったい何時に出勤されているのかしら。

 

後日、国立大学付属病院で消化器内科医をしている従弟に尋ねたところ、

 

「外科の先生は午前中の手術の前に病棟を回診して患者さんの状態を見ておきたいから、朝早いよね。僕は内科だからそこまで早くなくて、8時ごろ出勤して、その日診察する患者さんのカルテを見たりしてるよ。」

 

8時でも十分早いと思うけど。お医者さんってすごいなあと思います。普通の会社が9時頃から業務スタートするところ、朝は7時台に出勤して、夜も遅くまで病院でお仕事してるようで、毎日ものすごく長時間労働です。2024年から医師の働き方改革が始まると聞いていますが、患者にしわ寄せがこないようにしながら医師の労働時間を減らせるのか、甚だ疑問です。仕事量が同じなら、働く人の人数を増やさないと個人の労働時間は減らせないことは自明の理。ドクターの皆さんがサービス残業にならないように願っています。

 

さて、偉い先生の朝の回診、別名大名行列の話に戻ります。

 

部長の青柳先生は60代で、全国から難易度の高い大腸ガンの手術を申し込む患者さんが詰めかける有名なドクターです。腹腔鏡手術では日本の第一人者だと門松先生も言っていました。その偉い先生が早朝から入院患者さん1人1人に声がけをして回っています。お付きの中で一番年次が下の研修医がファイルを見ながら患者さんの現状を偉い先生に口頭で説明しています。このあたり、園遊会で天皇陛下に付いて回る侍従を思わせます。

 

青柳先生から記憶に残らないぐらい軽―い一言を頂いて私の番は終了。大名行列は次の患者さんに移っていきました。患者さん1人につき10秒とか決めてるのかな。

 

点滴を変えに来たその日の看護師さんに「昨日の夜、佐野先生が来たんです。ジャニーズが降臨したのかと思いました」と言ったら、「また会えますよ」と妙に優しく言われました。ちなみに、昨日とは別の新卒の看護師さんでした。

 

ララ心の声:そりゃあ、また会うでしょうね。執刀医なんだから。

 

この日は午後から大腸内視鏡検査でした。

水色のワンピースみたいな検査着に着替えて看護師さんに誘導され検査室へ。点滴のルートは腕につけたままです。

 

内視鏡検査の検査台に横たわったところまでは覚えていますが、私は知らないうちに眠ってしまって、いつ誰が検査しに来たのかまったくわかりません。気づくと入院室の自分のベッドに戻っていました。誰がどうやって連れて帰ってきたのかもわかりません。

 

多分検査室に入るとすぐ点滴ルートから鎮静剤を投与されて、あっという間に眠ってしまったんですね。

 

自分の入院室で目覚めた後、今日はこの後注腸検査もやりますからと看護師さんから言われました。注腸検査とは、腸の中にお薬を注入してレントゲン撮影する検査だそうです。

 

でも、結局先生の都合で翌日に持ち越されました。

 

相変わらず絶食なので、食べる楽しみも無く、さっさと電気を消して寝ました。

 

あ、この日のドキドキ体験は、朝、イケメンの佐野先生が再び私のベッドまで来てくれたことです。そして、先生は前触れなしにこう言いました。

 

佐野先生:(ララに向かって)入院したらまた会えますよ。キラキラ

 

ララ:(意味がよくわからず、無言で先生を見つめる)恋の矢

 

ララ心の声:え、今入院してるのに、「入院したらまた会えますよ」ってどういうこと?それに、「また会えますよ」って、まるで私がこの先生に会いたがっていることが前提みたいじゃない?このイケメン先生、ちょっとブイブイ言わせすぎじゃない?でも、あの顔で言われると、やっぱり胸キュンするなあ。ハートのバルーン

 

翌日、この「入院したらまた会えますよ」の意味がわかるんですが、それは次の記事でお知らせしますね。

 

夜は、門松先生が初めてベッドサイドに来てくれました。

 

門松先生:ララさん、ゆっくりしてください。僕、明日から休暇で不在になります。

 

ララ:はい。先生もどうぞごゆっくりお休みを楽しんでください。

 

門松先生は、相変わらずとっても温かい微笑みを浮かべながら、私の目を見て優しい口調で話してくれましたキラキラ

 

佐野先生に会うと胸がドキドキ、一方、門松先生に会うと安らぎを感じます。

30代半ばのこんなに素敵なドクター2人に診てもらえて、私は本当に幸運です。

 

この日も、ララのドキドキCancer Journeyは絶好調です。ラブラブ

 

*登場人物の名前はすべて架空のものです。