2023年6月26日(月)に初めてきらめき病院に行きました。

12時から消化器外科の門松先生の診察を受け、セカンドオピニオンをもらうためです。

 

私は人工肛門だけは何としても避けたいです。そのため、人工肛門にしないで済む病院をどうしても見つけたいという気持ちでした。

 

きらめき病院は我が家からタクシーで20分ぐらい。当日12時より前に病院に到着して、受付を済ませました。実際に医師と会えたのは13時半ごろでした。待たされたよねー。

 

診察室に入ると、30代半ばとおぼしき男性医師がにこやかに迎えてくれました。

秀才顔のまじめそうなメガネ男子です。メガネ

 

門松先生:大変お待たせしましたね。消化器外科の門松です。

 

ララ:先生、宜しくお願いします。

 

門松先生は私が持参したCT画像をデスクの上のPCに映し出して大腸ガンの部分をいろいろな角度からしばらく見た後、迷いなく言いました。

 

門松先生:これ、うちの病院なら切れますよ。

 

ララ:え、人工肛門にしなくていいんですか?

 

門松先生:はい。人工肛門にする必要はありません。周囲との癒着もそれほどではないし。ちょっと卵巣にいっちゃてるかな。でも、少し削れば大丈夫です。そんなに難しいケースじゃないですよ。

 

ララ心の声:えー!!!! J大学病院でもS病院でも癒着がひどいからガンを切除できないと言っていたのに、なんという違い!

 

ララ:先生、それ、本当ですか?だったら、この病院で治療したいです。

 

嬉しくて即決してしまいました。

これって奇跡?神様、ありがとうございます!

 

門松先生:(満面の笑みを浮かべて)わかりました。では、J大学病院にはこちらから必要な手続きをしておきます。1週間後の日曜日に入院して、その週の水曜日に手術でいいですか?

 

ララ心の声:え、来週水曜日に手術?早い。ものすごく早い。心の準備できてないよ。

 

門松先生は終始優しい微笑みを浮かべながら、私の目を見て穏やかに話してくれました。先生の全身から温かい光が溢れ出ているようでしたキラキラ

 

こんなお医者さん、初めて会いました。心から感動しました。

人工肛門にしなくていいという希望がかなったからだけでなく、先生の優しい雰囲気と優しい口調、私にはすべてが初めての心を救われるような体験でした。

 

門松先生:手術は全身麻酔で、身体に負担が少ない腹腔鏡下で行います。開腹手術に比べて術後の回復も早いですから。

 

ララ:先生、私、全身麻酔ってしたこと無いんですけど、大丈夫でしょうか。

 

いざとなると、全身麻酔はちょっと怖いです。目が覚めなくて死んじゃったらどうしよう。

 

門松先生:(ララの目をじっと見つめながら優しい微笑みをたたえて)、全身麻酔の経験は(手術を受ける人は)みんな無いの。

 

ララ:先生、私は介護が必要な母と2人暮らしです。私が入院するとなると、その間母をショートステイに預ける必要があります。でも、今から1週間以内に預かってくれる施設(空きがある施設)があるか心配です。母を預けられないと入院はできません。

 

門松先生:もし入院を延期しなければならなくなったら、電話ください。ところで、僕、来週から1週間夏休みなんで不在になります。だから、手術は先輩の医師がすることになります。

 

ララ:そうですか。どちらかにご旅行されるんですか?

 

門松先生:(嬉しそうに笑って)沖縄。家族サービスだよ。

 

このときの先生の笑顔は、さっきまで医師として私に説明しながら浮かべていたプロフェッショナルな笑顔と全然違う「プライベート」な嬉しさを表す笑顔でした。

 

ララ心の声:この先生、家庭生活も幸せなのね。よかった。そういう人は信頼できるわ。

 

ララ:先生、私はあとどのぐらい生きられますか?

 

門松先生:今、薬が良くなってるから、術後に抗がん剤治療をすれば平均3年ぐらいかな。無治療だと半年から1年というところでしょうけど。

 

ララ心の声:予後(余命)に関して、抗がん剤治療すれば、J大学病院は2年、S病院では30か月(2年半)と言われたけど、この病院では3年と言われるなんて、病院によってそのあたりの見積りも違うなあ。

 

いずれにしろ、やはり根治は難しく、治療しても2、3年しか生きられないことは、どの病院も共通の意見でした。

 

13時半から始まった診察中、先生の院内PHSが2回鳴り、誰かから何か催促されているみたいでした。

 

門松先生:(院内PHSの相手に向かって)今、まだ外来中だから。もう少しかかるから。2時からだっけ?

 

先生は2時から手術とか内視鏡検査とかの予約が入っていて、もう2時まで10分ぐらいしかないから、看護師さんから呼び出されているようでした。急かされてもイラついた口調にならず、穏やかに返答するところが偉いです。

 

でも、こういうふうに診察中にPHSが鳴ると患者としては大事な話を中断されるのでちょっと嫌ですね。

 

本当はもっと先生の話を聞きたかったけど、何となく慌ただしい雰囲気になってきて、13時50分ごろ診察室を出ました。正味20分位の診察でした。今後の人生がかかっている手術や治療の話を決めるにしては、ちょっと短い気もするけど、仕方がないですね(J大学病院ではたっぷり1時間先生が説明に時間を使ってくれたことを思うとね)。

 

後でわかったのですが、入院したらただちに絶食が始まり、大腸内視鏡検査等をすることなど、本当はこのとき事前に医師から説明を受けておくべきことが省略されていました。同意書の署名も本当はしておかなければならないはずでした。

 

この時間不足による説明不足は、今後この病院でたびたび経験することになります。

 

でも、この日の私はそのあたりは知らない状態で帰宅しました。

 

あまりにも嬉しくて嬉しくて。これは運命の出会いです。ラブラブ

 

3件目で私の希望を叶えてくれる病院に出会えたことは本当にラッキーでした。

 

きっと50代で人工肛門になって辛い思いをしたおばあちゃんが天国から孫の私を守ってくれたと思います。

 

もし希望通りの手術や治療を病院から提案されないときは、諦めずにセカンドオピニオンを他院に求めて、希望を叶えられる病院を探すことをおすすめします。病院によって手術の技術レベルがかなり違う場合があります。すべての希望が叶うとは限りませんが、トライしてみる価値はあります。

 

この日、私のドキドキCancer  Journeyが本格的に幕明けしました。乙女のトキメキ

 

それにしても、門松先生はどこか懐かしさを感じさせる人でした。初めて会ったのに、知り合いの誰かに似てるわけでもないのに、どうしてかしら、とこの日からこの懐かしさの正体をずっと考えることになりました。