2023年5月末に偶然大学病院で撮ったCT画像でガンが疑われ、大腸内視鏡検査を含めて山ほど検査を受けたことは、前回書いた通りです。

 

そして6月6日、消化器外科医の診察を受けることになりました。

この日も朝からずっと検査で、消化器外科の先生と会ったのは夕方でした。くしくも6月6日は母の誕生日でした。だから、早く家に帰りたかったのに。

 

診察室に入ると、男性の消化器外科の先生(40歳前後かと)とだいぶ年次が高い女性の看護師さんが迎えてくれました。

 

「大腸がんがS状結腸に見つかりました。既に肝臓、肺、リンパ節にまで転移していて、Stage IVです。」

 

やっぱりガンだったのか。ガーン Stage IVって確か一番進行した状態では。

CT画像を見せてもらうと、特に肺への転移がすごくて、あばたのように点々とガンが映っていました。

 

「3週間以内にS状結腸の腫瘍が大きくなって腸閉塞になります。しかし、癒着が強くてこのガンは切除不可能です。ですから、この場合、原発巣は残したまま、人工肛門を作ります。

 

え、人工肛門は絶対に嫌!!!!

 

実は私の祖母は50代で人工肛門になりました。それで、私は身近に人工肛門で暮らす人を見てきました。当時はインフォームドコンセントも不徹底で、祖母はそんな身体になるとは知らずに手術を受けたようです。術後に自分の身体を見て、ものすごいショックを受け、病院の屋上から飛び降りようかと思ったほどだったとか。どんなに辛かったかと思います。それでも祖母は94歳まで生きてくれて、最期は自宅で大往生しました。でも、人工肛門の生活を目の当たりにした私としては、自分が人工肛門になるのは絶対に嫌でした。

 

「先生、私の祖母は50代で人工肛門になりました。身近で見ていて可哀想でたまらなかったので、私は絶対やりたくないです」と言ったら

 

「何が可哀想なの?」と聞かれて、唖然としました。そんな質問してる段階でこの医者はダメだ。

 

「腸の端っこがお腹から出ているという見かけが可哀想なの?今ではパッチの性能も良くなっているし、社会の理解も深まっていますよ。」

 

社会の理解以前に本人がどう思うかでしょ。社会の理解度で人工肛門にするかどうか決める人なんていないよ。パッチの性能が良くなっているって、そんなに言うなら先生が自分で人工肛門になってみたら。それなら患者も説得されるよ。

 

この先生、時々マスクを顎まで下げてにっこり作り笑いを見せるのは、自分のことをイケメンと思っているからかしら。小田切ジョーの灰汁(アク)を全部抜いて普通の人にしたような顔でした。まあ、好きな人はイケメンと思うかもしれませんが、私の好みじゃないです。

 

「手術するときは、先生が執刀するんですか?」

「はい。僕がやります。」

でも、この先生の手は皮膚になぜかシミが多くて美しくないから、この人には絶対切られたくない!

 

そして、術後の治療についても話が及びました。

(続く)