W杯ネタが続いたので、そろそろ別のネタを。
今日から少し試合は中休み。
それが終わると、12月10日深夜0:00にはブラジルvs.クロアチア、4:00にはアルゼンチンvs.オランダというデスマッチが待っている。
怖い怖い。
さてさて、生活がワールドカップで回っているために読書時間が大幅に削られてしまいましたが、こちらは読みました。
「ザ・ロード」
コーマック・マッカーシー著。
見てよ、この真っ黒けっけの表紙。
絶望しかないって感じですが、本の内容も虚無と絶望しかありません。
”読書体験あるある”マンガ「バーナード嬢曰く」で神林しおりちゃんが推してたのですが、その理由がわかるほどめちゃくちゃよかった。
最後はワールドカップの日本敗退で緩んでいた涙腺がまた緩んで泣きそうになった。
ピューリッツア賞、伊達じゃない。
大戦があったと予想される世界――。
厳しい冬を逃れるために南を目指して父親と幼い少年がアメリカの大陸を黙々と旅する話。
世界は荒廃しており、殺戮者、簒奪者であふれていた。
読点「、」がなく、淡々とした文体で書かれているので殺伐としている。
廃墟を通り越して、風化したような町や自然の風景描写が無力感を与えてくる。
その中で、父親の息子に対するあふれんばかりの愛情がとても尊い。
フェデリコ・フェリーニ監督の「道」と、デンゼル・ワシントンの「ザ・ウォーカー」を思いだした。
物凄くよかったけれど、内容が暗すぎるので、お勧めはできない。
「これ読んだよ」と言って、読書仲間や本好きと語り合うことはできるけれど。
そして、続いて読み始めたのはこちら。
「血と暴力の国」
同じくコーマック・マッカーシー著。
昔、映画にもなった小説。
映画の邦題は「ノー・カントリー」でいえばわかるかな。
正確には「NO COUNTRY FOR OLD MEN(老人の住める国はない)」。
「老人が安心して住める場所はなくなった。この世は地獄となり果てた」という意味ですね。
こちらは文体もテイストも変わって、おもっくそバイオレンス。
ここまでくるといっそすがすがしいほど。
こちらも、読書報告はできても、お勧めは難しい内容になると思う。
それにしても、アニー・エルノーといい、コーマック・マッカーシーといい、どっちもハードボイルド作家だよね。
結局のところ、私はハードボイルドが好きなんだなあと自分を見つめ直したりして。
ヘミングウェイ好きだし。