一世紀も前のことでございます。

ハワード・フィリップス・ラヴクラフトというアメリカ人がおりまして、

「ラヴクラフトなんて洒落た苗字、どうせペンネームでしょう」

という私の斜に構えた予想を裏切り、全部本名でございました。

1917年当時、彼が三文雑誌に掲載した怪奇小説はマニア受けをしたのでしょうか。

「その世界観、オイラたちも混ぜてくれよ」と他の作家たちも参加して共通の固有名詞を使用して小説を書き合うようになりました。

話は段々とスケールが大きくなり、気がついたころには、チーム・ラヴクラフトはついに架空の神話体系をつくってしまったのでした。

それが、ラヴクラフトが創造した「クトゥルー」というキャラからとった俗に言われる「クトゥルー神話」。

 

ご存知の方には釈迦に説法で申し訳ない。

名前だけは知っていたから挑戦してみようと代表的な「クトゥルーの呼び声」を表題にした短編集を読んでみたけれど、残念ながら、私には合わなかった。

頑張ったけれど、収録順に読んで、4作目の表題「クトゥルーの呼び声」を読み終わって、挫折した。

達成度28%。

 

その、あれよ。

私にはあんまり面白くなかった……。

雰囲気で怖がらせようとしているのはわかるけれど、怪奇な感じがしなかった……。

ファンの人たち、本当にごめんなさい。

 

クトゥルー本体も

 

・頭部はイカの顔に無数の触腕が生えている

・胴体はふくれあがって、ゴム状でぬるぬるした鱗に覆われている

・手足には長い鉤爪

・細長い翼が胴についている

・山のように巨大

・全身緑色

 

巨大というだけでリアルに見たら発狂するかもだけれど、

私はアメコミのキャラのソフビ(ソフトビニール人形)を思い浮かべた。

ウルトラマンの怪獣にいそう。

ちなみに、クトゥルーは地球外生命体で、邪神だそうです。

 

おかしい。

小学生の頃に読んだ「世界こわい話ふしぎな話傑作集(4 アメリカ編)」(金の星社)の

クトゥルー神話「悪魔のおとし子(原題は「ダンウィッチの怪異」)」、「戸口の怪物(戸口にあらわれたもの)」は面白かったのに。

ネタによって合う合わないがあるのかしら。

あるいは、「悪魔~」以下いま読むと面白くなかったりするのか?

 

久し振りの読書の挫折。

しかも有名どころの本なのに。

ゆるキャラ邪神に負けた。

そっと図書館へ返却に行こうと思うのでしたしょぼん

 

でも、ちょっと悔しいから、ここに登場する奇怪な事件ばかり起こる「ミスカトニック大学」はなんかに引用しようっと。

 

クトゥルーの呼び声 (星海社FICTIONS)