照りもせず曇りもはてぬ 春の夜の 朧月夜に似るものぞなき
(晴れるのでもくもるのでもない、春の夜の
ぼんやりした月夜にくらべられるものはない)
「源氏物語」の「花宴(はなのえん)」で光源氏に出会う直前の朧月夜の君が詠んでいた歌です。
これを「如(し)くものぞなき」で詠っていたのは大江千里。
本歌取りどころか、ほぼまんまつかってますな。
意味は一緒だそうです。
春の夜の朧月は甘やかで陽気な妖しさを醸し出しているように思え、
「艶(えん)ですなあ」とその姿を夜空に見上げてはうっとりしたもの。
とはいえ、今夜は見たのは晩秋の美しい朧月夜。
季節の終わりという寂寥を含んだ月光をたたえ、
静寂と孤高の気高さを霞の内にまとって佇む。
スマホでは月や星の写真がうまくとれないのが残念だ。
スマホにも天体写真が撮れるような機能をつければいいのに。
フリー素材っぽいところで見つけた。
朧月夜の君イメージなのでしょうねえ。