これ書くがどうか迷ってたんですが(最近迷ってばかりいる気もする)、記事というより個人的なメモです。

 

ユンギの件に関して。

 

それはもういいよ!という方はパスしてください。

 

*韓国における過激な社会的制裁に関しては言うまでもなく不当だと思っています。下記は、国外ファンの間でマジョリティを占める「もう水に流せ」という意見に対するものです*

 

Snooze - Agust D ft Ryuichi Sakamoto & WOOSUNG

 

ユンギ自身というより、この文脈で使われる「許す」という言葉について思うことなのですが。

 

フォローさせていただいているブロガーさん含め、ネット記事のコメントでも「許すか許さないかはファンが決めることではない」と書かれている方々がいらっしゃって。

 

私は、逆に、許すか許さないかは極めて個人的な問題だと思っています。

 

ファン一人一人が自分の中で決めることだと思っています。

 

もちろん裁くのは司法だけれど。

 

BTSに理想の姿を求めるのもそれぞれのファンの自由だし、自分が尊敬の対象として抱いていたBTSの姿に該当しないものは(司法がなんと言おうと)許せないと感じるファンがいるとしたらそれはそれで理解できる。

 

逆に、私はそもそもユンギに品行方正なんか求めていないし、飲酒運転なんかで失望するなんて大袈裟じゃない?もちろん許すでしょ、ってか最初から気にしてない、という意見のファンがいるのも理解できる。

 

よくある物語の筋書きで、恋人が突然失踪してしまって、その足跡を辿ったら思いもしない事実が判明して、それは法に抵触する事柄かもしれず「私が好きだったのは、一体誰なんだ?」という葛藤を経験するという話筋がありますよね。

 

この手の話、私は嫌いじゃなくて。

 

非常に興味深いと思う。

 

相手の価値観だけじゃなくて、翻って気付かされているのは、自分の価値観なのであって。

 

私も繰り返しユンギのことを考えながら、結局は自分のことを見つめているんだろうなと思います。

 

そりゃね、直筆の謝罪文まで目にして、カメラの前で頭を下げる彼の姿を見たら、もう水に流せよ、という意見には基本的に同意です。(韓国で生じている精神的集団リンチは論外です)

 

でも一方で、なぜだろうという気持ちも少し残っている。気が緩んだらみんなが法に抵触するような行為をするかと言ったら、そうではないわけで、現に他のメンバーは今のところそんなことはしていないし、大半のメンバーは今後、警察の世話になることなく一生を終えるのだろうと思う。

 

また卑近な例で申し訳ないのですが、私の近しい人でも裁判で尋問の席に座ったことがある人は数人いて。

 

その度に、司法が許そうが許さなかろうが、私の思いは別のところにありました。

 

その人のイメージが完全に変わってしまうこともあったし、情状酌量だと思うこともあった。それは必ずしも公で語るに相応しい事柄ではなかったけれど、誰かを、あるいはその行為、束の間の決断を許すか許さないかというのは、ごく個人的な事情なのだと実感しました。

 

だって、極端な話、例えば強姦の前科がある人でも刑を全うしさえすれば、「許されるか」と言ったらそれは見る人によって判断が違いますよね。数年前に医大生による強姦事件が相次いで公にされたとき、私は彼らには絶対に医療者になってほしくないと思ったけれど、多くの学生は退学させられたのち、別の医学部に入り直しました。中には国立大に編入した者もいた。今は医師として働いていることでしょう。

 

結婚だってしているかもしれない。犯罪歴を知って、それでもそれを許して一緒に暮らせる女性もいるだろうし、許せないという思いで別れた人もいるかもしれない。

 

もちろん、ユンギは裁判にかけられるわけではないし、法に反する行為というのは、一方ではやっぱりいろんな背景があるわけで。

 

先日、割と治安オッケーなエリアのSUBWAYで並んでいたら、黒人の子どもたちがわさわさ入ってきて、カウンターでクッキーを買うだの何だの言ってるうちに、一瞬の隙に、私の前に並んでいたお客の、会計前のサンドイッチを掴んで走り去って行きました。それはものすごい速さで。まるで動物のようでした。

 

カウンターを飛び越えて、彼らを追った年配の店長の素早さも目をみはるものでしたが、彼がその子たちに追いついたのか、それはわかりません。いずれにしても、その数分度、店を出て目的地に向かう途中で私は同じ子どもたちを見かけました。手にはしっかりサブウェイの袋を握っていました。

 

店に入ってきた時から、嫌な気配を感じさせる子どもたちだったというか、汚れたタンクトップやTシャツ、擦り切れた短パンという身なりからして彼らに何かを盗まれても驚きはしない、と思っていたのですが、彼らはそうやって何とか生き抜いているのでしょう。

 

そしてそのうちきっとクスリの売買に関わるようになる。すでに運び屋をやってるかもしれない。

 

そうして大人になっていく子どもたちがヤク中患者になった姿を私は病院で見ているわけで、あるいは、そういう子たちの手を渡ったコカインを手にする人の中に、ハスキーの幼馴染がいたりする。

 

私に関係ないことではなくて。

 

許すか許さないかも、どう思うかも、私の問題。

 

この子どもたちのことを知らないように、結局ユンギのことだって私は何も知らない。

 

コメントを寄せてくださった方で、彼は飲まないと曲を書けないのかもしれないという意見の方もいました。そうかもしれない。そうだとすれば、SUBWAYの子どもたちとユンギとは重なる部分がなくはないのかもしれない。

 

だから私はユンギを許すとか許さないとか、そういう心情をここで公開したいわけではなくて。

 

でも彼の謝罪を受けてもなお、少しモヤモヤするというか、許せるかわからないという心情の方がいらっしゃるとすれば、それはそれでいいのではないかと思うのです。

 

他のファンが水に流したからと言って許さないといけないと思う必要はない。

 

きっと許せる日もあるだろうし、許せない日もあるかもしれない。

 

でもそれでいいのではないかと思うのです。

 

ユンギはきっとそれでも許してくれると思うのです。

 

 

Aqua - Ryuichi Sakamoto

最後までお付き合いくださってありがとうございました♡

 

Last but not least: グク誕生日おめでとう!遠くからいつも君の幸せを願っています。