今週水曜日にまとまった時間が取れそうなので、その時にメッセージ、コメントを遡ってお返事したいと思っています。

 

その前に少しだけ。グクに厳しい、ジミンを贔屓しすぎじゃないか、とご意見をいただいたので、自分なりのジョングク愛をばら撒きたいと思います。(と言いつつ今回もクセありなのでご注意を。)

 

I'm about to 〜/ I'm going to 〜 というのは、僕はこれから〜するところだ、という意味の英語ですが、これを略して I'mma 〜 と言う場合があります。そしてこのスラングを流行らせたのはこの楽曲だったということを最近、先輩に聞きました↓

 

 

翻って、champagne confettiというのは潮吹きのことを表す表現のようですね。

 

クジラの潮吹きじゃないですよ。

 

あくまでUrban Dictionaryによるとってことですが。

 

 

ただこれ、驚くべきなのは、3D発の「スラング」らしいということです。

 

私はスラング知識が乏しいので、もしかしたら世の人々は昔から潮吹きについてこのように表現していたのかもしれませんが、この表現がurban dictionaryに登録されたのはごく最近の模様。しかも例文のほとんどが3Dの歌詞ですからね!

 

まあ意味が意味だけに賛否両論あるでしょうが、これってすごいことだと思います。個人的に、もともと言葉や文化に深い関心があるので余計にそう思うのかもしれないけれど、ジョングクが歌う歌をきっかけに一般化する英語のスラングがあるとしたらすごくないですか?!

 

以前、スーパーボウルのハーフタイムショーについて書いた時に、BTSがあのステージでパフォーマンスしているのが想像できないのは、アメリカの文化・風景・思い出の一部になりきっていないからだというようなことを2年ぐらい前に書いたのですが、その時、同時に私は、無理してアメリカの文化の一部になる必要はない、という意見も述べたように記憶しています。

 

この時、BTSの着地とソロ活動についても触れていて、それぞれのメンバーが、それぞれに好きな服を着る日が待ち遠しいと書いています。要するに、着せられる服ではなく、自ら選んだ服で勝負する姿が見たいということを述べたわけです。その記事を書いた日、スーパーボウルのハーフタイムショーに出演していた歌手たちが、皆それぞれに「自分に似合う服」をしっかり選んで着ていたように私には感じられたからです。

 

韓国人歌手が欧米嗜好に合わせることなくアメリカの風景の一部になれるのか、という見方はあるのかもしれないけれど、逆に、自分の服も選べない人間が(自己主張が強い)アメリカ文化の一部になれるのか、という発想もありますよね。

 

3Dを聴いて、グクが「会社に着せられた服」を着ている、とお感じなった方はたくさんいらっしゃったことでしょう。SNSを見ない私はマジョリティーのファンの意見を知らないのですが、「今までのBTS」の哲学を考えると、グクが、あるいはナムジュンやユンギがこの歌詞を受け入れたとは思えないと感じた方々がいらっしゃったことは私もよく理解したつもりです。

 

でも一方で、GOLDENに収録されている楽曲はすべてグク自身が「選んだ」楽曲のようですね。

 

英語をほとんど知らない彼がどのような基準で楽曲を選んだのかは分かりません。ナムジュンがいつか言っていたように音楽は「純粋な聴覚体験」であるべきだから、歌詞の響にはこだわっても意味にはこだわらない、という考え方もあったかもしれません。理由はどうであれ、ジョングクが選んだ楽曲だということは変わらない。「着せられた服」だとしても着せられることを選んだのも彼なわけで。

 

さすがのグクも自分がBTSというチームの一員であることは忘れていないはずだ、というコメントいただき、確かになあ、と思いました。どのメンバーの「ソロ」も他のメンバーと被らないように、ジャンル・マーケティング共にそれぞれが分担された役割に徹しているソロ活動のように感じられなくもない。

 

でもどうだろう。あれだけの信頼関係で結ばれた彼らが、お互いに遠慮するような水臭いことをするだろうか。チームの色のために自分がやりたいことを曲げたりするだろうか。そんな妥協をメンバーに求めるチームなのだろうか、BTSは。

 

それ以前に、BTSはJason DeruloのSavage Loveの韓国語版をリリースしていますね。Jason Deruloの楽曲については前に触れましたが、今回の3Dと同じように女性を(Deruloの場合は特に日本人女性を)露骨に性的対象としてのみ描いた楽曲があるのは確かです。だから、ここ数年の「クリーンなBTS」でさえ、ファンに言われているほど潔癖に哲学を貫いてきたわけではない、と個人的には思っています。

 

そのせいか、私はジョングクのエロい楽曲(GOLDENのメンツを見ても清純なアルバムになるとは到底思えない笑)も大いに彼らしいのではないかと感じています。彼は別にアメリカのポップカルチャーのアイコンになりたいという野望を抱いている訳ではないだろうし、前回記事で比較対象にした財前のような上昇志向もないのかもしれない。

 

自分がかっこいいと思う楽曲をただ選んだだけ。

 

だからこそ、そこに差別用語があるかどうかは彼にとってさして重要なことではないかったのでしょう。積極的にファンを失望させたり傷つけたりするつもりはなくても、わざわざABGの語源を調べたり、女性の身になって下ネタを回避したりするつもりは毛頭なかった。でもその先で、ジョングクの楽曲に出てきた表現が、日常英語として浸透していく世界があるとすれば、それはそれで面白い展開だと思います。

 

英語をほとんど話さない韓国人歌手が唱えた言葉が、気づかれぬまま、いつの間にか欧米文化の一部になるとしたら、グラミー賞を受賞するよりすごいことだと思いますよ。自国の女性をネタに歌を歌って、って考えるとなんだか皮肉なことだけれど。

 

好意的に解釈すれば一応、(ミソジニーにならないように)「同意に基づいた性行為」について語ってるとも言える。If you're ready and if you let me(君が許してくれるなら)って!

 

まぁ、グクやHYBEに怒るぐらいなら、我が身を振り返って安売りしないことですよね。実際に自分を安売りしちゃうアジア人女性がいるからこんな歌詞がまかり通ってしまうとも言えるわけで。。。

 

それにしても champagne confetti が潮吹きだとは。男の脳ってどうなってるんだか。マジで感心するわ。グクも最初からそのつもりだったのかな。でも消火栓まで出てきちゃったしね。こればかりは言い逃れできないよね(なんだかちょっと遠い目)。って言うか皆さん、辞書なんか見なくても気づいてました?!気づかなかったの私だけ?

 

 

PS:たった今、高校時代の友人からラインがきて、テテペンになったと言ってました。我が母もすっかりテテペンになっているので、彼は日本で本当に良い仕事をしたのでしょうね。