お立ち寄りいただきありがとうございます。

 

ホソクの兵役の件もあるし、メッセージやコメントのお返事も滞ってるし、めちゃくちゃタイミング悪いんですが、今書かないと忘れるので、いつものごとくメモです。お返事と前後してしまってごめんなさい。

 

このブログの最初の投稿で触れた「仮面の告白」、やっと読みました。

 

個人的な感想としては、究極のspeak yourselfでした。

 

これを昭和24年に24歳で書いたというのは尋常じゃないですね。

 

ナムジュンがユニセフであのスピーチをしたのが同い年のとき。同年にリリースされたSingularityを歌ったテテは22歳でしたね。

 

「僕が僕を受け入れられるようになるきっかけになった楽曲。」

 

個人的な論点はずっと、仮面の告白を本当にナムジュン(及び製作陣)が読んでこの楽曲を書いたのかというところでした。

 

当時のBTSを知らない私は、ナムジュンがSingularityの作詞にあたって、仮面の告白を参考にしたという発言を、実際にしたかどうかを知りません。彼がこの本をカメラの前で開いていたという事実と、仮面の告白の英訳本の表紙のデザインがどうもSingularityのジャケットデザインとかぶるという事実の2点をもってして、この2作品をARMYが勝手に結びつけているだけだとすれば、ナムジュンとしては、ただ小道具として忙しい舞台袖でこの本を開かされていたという可能性は否定できないとずっと思っていました。

 

この度、小説を読んでから楽曲の歌詞を改めて確認した私は、ナムジュンは本当にこの作品を読んだ上で歌詞を書いたんだろうなという印象を受けました。

 

ただね、正直、今回ざっと読んだだけなので小説はもう一度読まないと消化しきれない部分がたくさんありました。

 

とりあえず時間がないので、多少印象的だった部分を思い出すままに:

 

*自分をストレートだと思い込ませるためのこじつけ思考に割かれるエネルギーがすごい。全てが偽だと分かりながら、それでもこじつけたくなってしまう拗らせ具合がやばい

 

*裏の裏の裏の裏は表だと思ったけどやっぱ裏!みたいな堂々巡りが痛々しい

 

*積極的な希死念慮があったわけではないにしろ戦争で死ぬかもしれないという可能性が救いになっていたという事実

 

*特定の女性に対する人間愛は確かにあったにもかかわらず、それをも色褪せさせてしまうぐらいの男性の肉体への執着

 

*女性への無感覚を「痛い」と表現。絶望感と孤独感が半端ない

 

*自分がゲイだという事実に向き合わされる時の絶望感と隣り合わせでやってくる安心感を、難病患者が診断名を言い渡された時に一時的に得る安心感と似ていると表現

 

*初恋の人の腋窩の描写に割かれている文字数の多さ

 

*バレてしまうことへの恐怖と屈辱感

 

*自分のセクシャリティーや、それに基づく行動が自分のせいではないと思い込みたい故の責任転嫁の矛先になる母親の残酷なまでの無知

 

*外国には自分と同じ性指向の人間がいるらしいという事実だけでは救われないが、多少は救いになってる?

 

*一見サディスティックだが、自分も「痛めつけられている彼」になりたい欲求というのはマゾ?

 

まぁこんなところかと思いますが、この作品が本当にSingularityやSpeak Yourselfに反映されているとするならば、、、すごい(語彙!)

 

テテが描くSingularityのステージから想像するに、彼自身は三島を読んでいないに一票です。

 

似たような自伝的作品で鴎外のVita Sexualisってのがあるのをご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、熱量差がすごいですよね。ストレートかつ性欲が薄い鴎外の青春にも葛藤がないわけじゃなかったんだろうけれど。

 

三島だって冷静じゃないわけじゃなくて、むしろ冷静すぎるぐらいの分析力なんだけど。

 

LGBT当事者に共通するのは「切迫感」だと思います。

 

受け入れ難い自分をそれでも受け入れて生きていかなければならないことへの葛藤を叫ばずにはいられない切迫感。

 

それが一部のBTSメンバーにはありそうだと感じていたのは確かなんですが。

 

翻ってマンネラインが好きなTroye Sivanって、パンPDが彼らに紹介してるんですよね。ナムジュンが好きなSame LoveもパンPDが歌詞の内容を指摘してくれたおかげでナムジュンはますます好きになったと発言している。

 

うーん。

 

少年たちの純粋無垢なキャンバスに、金の匂いに毒された絵の具が滴り落ちた瞬間があったとして、私は当時のBTSを知らないので、何とも言えないのですが。

 

環境因子でゲイがストレートになることはなくても逆はあり得るのか。それに伴う葛藤を経て成長していく青年たちの姿が、世界を巻き込むほどに共感を呼んだと素直に解釈していいのか。

 

それとも、三島の葛藤をもネタにした金儲けによって実現された、ある種の歪んだ復讐を見させられているだけなのか。

 

Singularityと同じく2018年リリースのThe Truth Untold(告げられぬ真実)に隠されたスメラルドの伝説から辿り着くオズの魔法使いの虹。

 

それぞれのメンバーの清潔感と誠実さだけを頼りに彼らの「ストーリー」を信じている私ですが、そもそもここを論点にしてるARMYって圧倒的少数派なんですよね、きっと。

 

私もこのあたりでいい加減にしようと思いますが、取り急ぎメモまで。

 

兵役履行前のメンバーに触れていますが、5年前の作品についての感想なので悪しからず。

 

最後までお付き合いくださってありがとうございました♡

 

追記:メッセージのお返事なるかは分かりませんが、彼らの関係についての私の解釈は大きくは変わっていないと思います。疑っているわけでも、信じているわけでもありません。あの彼の右前腕の緑のマイクについてもこの記事を読んでくださっている多くの皆さんと同じように感じています。でも、タトゥーについて彼が「後悔しても消しません」と言っていたことが全てを物語っていると思っています。

 

「タトゥーを消すのは理解できますが、僕はあえてそうしようとは思いません。その時はやりたかったことだから、今も残っているわけですよね。それを消してしまえば、過去の自分を否定することになるから。その時の僕も僕だから、消すのはあまり理解できないです」

 

これは緑のマイクに込められた思いについての解説そのもののように私には感じられました。未来を約束したとか、そういう大きな出来事があったという想像を否定するつもりはありませんが、個人的には、ただ今の彼が入れたいから入れただけのタトゥーだと思います。未来はどうなるかわからないけれど、どうなろうとも絶対に消そうとは思わない大切な思い。それ以上でも以下でもないんじゃないですかね。