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実は母方の祖父が20年前以上に亡くなったのが10月15日で、その時ジミンは釜山で5歳の誕生日を迎えたばかりだったと思うのですが、世界はシドニーオリンピックに沸いた年で、亡くなる数ヶ月前まで九州で剣道師範をしていた祖父が、病室のテレビで井上康生選手の柔道を見てはとても励まされていたことを今でもよく覚えています。最後の勝負を制した時に、井上選手がお母様の遺影を掲げて大粒の涙を流したことも。

 

私たちが住んでいた外国の地まで剣道を教えにきた祖父の、言語の壁を超える熱い指導に心を動かされた私は、帰国してすぐに剣道を始め、夏休み中は祖父に指導を仰いだのですが、何せ日本の夏の激烈な暑さに体がついて行かず、少しばかり強い口調で指導されては稽古中にシクシク泣く私の様子を見て、祖父はたいそう困っていたようでした。

 

それでも彼は、すでに病が進行していることも知らず、立っているのも辛い状態だっただろうに、あの重い防具を身に纏って、面や小手や胴を打たせてくれて、夕飯時は焼酎を片手に、強い心を持たなければならないと私に言い聞かせました。夏休み最後の稽古の後、家族みんなで食べに行った地鶏が本当に美味しくて、社会人のなって研修を終え、初めてふるさと納税を勧められた時に真っ先に探したのが、15年以上前に食べた地鶏の炭火焼きでした。

 

祖父の死は、私にとって生まれて初めて接した、人間の命が消える瞬間で、今でも母や叔母たちが、酸素マスクをつけた祖父の、浮腫んだ足をさすりながら、「おうちに帰ろう」と何度も言っていたのを覚えています。こんな状態でどうやってお家に帰るんだろう、と思っていた私は、祖父がついに命を引き取った時に、皆が「これでおうちに帰れるね」と口々に言うのを聞いて、心の中で「でももう死んじゃったじゃん」と思っていました。祖父が最後まで告知をされていなかった事実についても思うところはたくさんあって。

 

そのなんとも言えない無力感が、今の私を掻き立てているのかはわかりませんが、私にとって大切な日だったことは間違いなく、そのたった2日前に海を挟んだ朝鮮半島で5回目の誕生日を迎えた男の子が、波乱万丈のアイドル生活の中で今27歳になろうとしているのを考えるとちょっとだけ泣きそうな気持ちになります。

 

要するに、誰かが死ぬ瞬間というのは必ずどこかで新しい命が生まれ、この惑星ではいつだって悲しみと喜びのロウソクの火が同時に点されているわけだけれど、そういう命の循環を意識させられる瞬間って、病院に勤めていてもなかなかないというか。祖父の死を思い出しながら、「推し」の誕生日を迎える10月だからこそ、私自身もどこか原点をリマインドさせられるような気持ちもあって。

 

私は長いこと、ジミンと自分は全然違うと思っていました。実際あのMBTIでも真反対だったように記憶しています。ジミンが人と接することで充電するらしいのに対して私は圧倒的に一人の時間が充電時間だし、ジミンみたいに周り第一には考えられないし、いつでも人に優しくなんてできません。

 

でも、折に触れてタリョラとかを見返して、どんなゲームでもゲームとは思えない必死さで真面目に取り組む様子を見かけると、その一生懸命さやら、時に要領の悪い姿を見ては、何となく親近感が湧いたりして。旗を探しに山を走るあのエピソードなんて、テテがジミンを当てにして遊んでいる間のジミンの悲壮感さえ漂う涙ぐましい努力は全世界のARMYが記憶に刻んでおくべきだと思うけれど、最後はやはりテテにいとも簡単に旗をあげてしまうジミン。(まぁ、あのかわいい子犬以上に子犬なテテを無碍にできる人間はいないですよね笑)

 

取り組み始めると、調節が効かないというか、100%一生懸命になってしまうところ、すごくわかるんです。私にもその時々でテテタイプ(←これ、だいぶ語弊があるので悪しからず。全人類を2種類に分けるとしたらどちらのタイプかという話です)の友人がいた気がしますが、すっごく羨ましく思っていました。

 

例えば高校時代の体育祭の練習。文化部なのになぜか徒競走部門に選抜されてしまい陸上部に混ざって7時半には登校して練習していた私の横で、「こんな練習で足が早くなるとは思えないよね」と馬鹿にしていた、これまた文化部徒競走組の友人。

 

でも不思議と嫌味な感じはなくて、むしろ子供特有の容赦ない図星発言に苦笑いさせられるときのような、あるいはジミンがテテについて、いつまでも擦れない純粋さを羨ましく思うと発言していた心境に近いような感覚だったと思います。毎回最後の数分だけ練習に参加するだけなのに、本番前は憎たらしいほどに常に自信満々で、タイムも3年間彼女の方がよかったし、真面目にやる人間が報われるわけじゃないんだと身に染みて感じたのを今でも覚えています。

 

気まぐれに顔を出す練習で私と並んで走りながら、「私、頼まれても東大になんか行きたくないんだよね」とサラッと言っていたのも印象的で。ここまで来ると実際に苦笑するしかないというか、自分の偏差値を見てから話せよって、心で唱えながら私は無言を貫き通しましたが笑、彼女は全く気にする様子もなく「だって校舎古いしさ、汚いじゃん」と話を続け、その能天気な声を聞きながら私は、本当に幸せな奴だとさらに羨ましく思いました。世の中には、真面目に努力しなくても結果が出せて、東大に行かなくても幸せでいられる人がいるという当たり前のことを、私はこの友人から学んだわけですが、ジミンを見ていると、この当時の自分を思い出す時があります。

 

何とも失礼な話なのだけれど、このまま私の経験をもとに話を進めると、この「常に一生懸命スタイル」は一度染み付くとなかなか抜けない上に、その副作用は、第一に、一生懸命やれない自分が出てくると罪悪感を抱くようになるということです。そして人間だから自分に期待しているほどには頑張れない日が続くこともある。そうすると罪悪感が恒常的に心を支配して自信がなくなっていくということです。

 

そして第二に、文字通り脇目も振らずにやっているので、視野が狭くなりがちだということです。テテみたいに道すがら、マイペースに好きな花の写真を取ったり、名前を調べたり、今日の空の色を心のパレットに刻んだり、そういう余裕がなかなか見つけられない人間になるということです。そして与えられる仕事があれば、がむしゃらに取り組むけれど、それがないと何をしていいかわからなくなってしまうということです。

 

バンタンがソロ活動への移行を発表した会食で、自信が漲っていたテテに対して、何とも頼りなさげな印象を抱かせたジミン。レールがない?ソロ活動というのは、ジミンにとっては不得意分野かもしれないな、と勝手に思ったのは、上記に書いたような私自身のことをジミンに重ねていたからかもしれません。

 

ギリシャ神話のアルテミスとアポロンをモチーフにした今回の企画は、ジミン自身の発案で、2人の神が象徴する光と闇を描いているようですね。アルテミスの女らしさとアポロンの男らしさを表現しつつ、彼らの彫刻に施された金継ぎをもってしてジミン自身の不完全性ゆえの魅力を象徴しているのだとか。

 

ジェンダーの境界をいとも簡単に行ったり来たりしてきた君が今、改めて「混沌」の中にいると感じているのは、境界上の混沌こそが自分の居場所だと再認識しながらも、新しい立ち位置がイマイチしっくり来ない気がするからなのかな。

 

上記は私のとんだ勘違いかもしれない、というか、そうに違いないのだけれど、でも少しでも当たっている部分があるのだとすれば、今こそマルタで書いた手紙を君自身にも思い出してほしいと思う。

 

「(中略)もっと自分に自信を持ってほしい。人の前で好きなら好き、嫌なら嫌と言いながら。一人で何をそんなに考えているのかわからない。考えないことも必要だぞ」

 

4年経った今、君はどういう気持ちでいるだろう。少しは罪悪感から解放されて自信を持つことができているだろうか。同じく4年前になるあの指切りを思い出して、少しでも自分を許すことができているだろうか。混沌の中でも、空を見上げて、深呼吸をして、空っぽになる時間を作ることができているだろうか。

 

君はあの名曲でも、とびっきり素敵な歌詞を歌っているよね。「自分の過ちでできた傷跡でさえ全部自分の正座なのに」と。そして「数千もの煌めく矢の的は僕だけ」で「無数の星に出会うために生まれ落ちた僕」だと。

 

だから君はもう頑張らなくても十分素敵だと覚えておいてほしい。肩の力を抜いて、時には自分のことだけを考えて、胸を張って好きなものは好きだと、嫌いなものは嫌いだと言いながら、そんな自分を大切にして生きてほしい。魅力的な君の友人を羨ましがらなくても、人一倍真面目で一生懸命な君にしかできないこと、そんな君にしか味わえない幸せが絶対にあるということもわかっていてほしいし、少し痩せた背中に浮かぶあの月の満ち欠けをレンズに向ける時には、君の魅力を詰め込んだあのファンアートに使われていた色の数の何倍もいる君のファンの存在を思い出してほしい。

 

全部分かりきったことだし、大きなお世話だけど、こんなことを考えている君のファンもいるってことで。

 

兎にも角にも、君にはこれから出会わないといけない無数の星がまだまだたくさん残っているから。いつでも君が自分に優しくいられることを祈って。

 

お誕生日おめでとう。

 

ᵕ˙ | semi ia on X: "The inspired fanart Jimin's tattoo  https://t.co/Y8YgyuNC5S" / X

 

 

最後までお付き合いくださってありがとうございました♡

 

PS

今日はケーキをひとくちと言わず、何口でも差し上げたいと思いますが、実際には会えそうもないので、私が代わりにガッツリ食べます。故郷でのコンサートの成功も祈念して。