The Truth Untold：真実と虚構の狭間

お立ち寄りいただきありがとうございます♡

いつもいいね、フォロー、コメント、メッセージありがとうございます。また投稿とお返事が前後してしまいますが、これを書いたらしばらく更新はお休みすると思うので、ゆっくりお返事させてくださいね。メッセージの返信が追いつかないので、とりあえずメッセージはしばらく閉じます♡

そして今日は定期的にやってくる拗らせ投稿。読みたくない方もいらっしゃると思います！が、実は昨夜寝る前から悶々としていた案件で、書かないことには今日安眠できないので、夕飯を食べながらものすごい勢いでキーボードを叩いております笑

以前お話しした通り、私がBTSの存在を認識したのはたぶん2019年頃で、それ以前にリリースされた楽曲については、少しずつ聞いては、気になったものについて少しずつ学習?するということを繰り返してきました。

そして昨日の記事投稿後に、ふと調べ物をして、またしても衝撃を受けてしまった楽曲：The Truth Untold（すぐに寝ればいいものを、寝る前ってなんで変な調べ物をしてしまうのでしょうね。しかも忙しい時に限って！）。

この楽曲の背景になった「スメラルドの伝説」についてはご存じの方が多いかもしれませんが、念のためおさらいすると、15世紀〜16世紀頃のイタリア北部の田舎町、チッタ・ディ・スメラルド（La Città di Smeraldo）のはずれにあるに小さなお城に住んでいた男の物語です。

容姿が大変醜く、幼いころから誰にも心を開かなかった彼の唯一の楽しみは庭の花を育てることだったのですが、ある夜、一人の女性が庭のフェンスを飛び越え花を盗んで行きました。男は怒り、一晩中庭を見張りましが、うとうとした際に女性にまた花を摘まれてしまい、そんな夜が何日も続くうちに、男はいつの間にか女性を待つようになります。そしてある日、マントに身を包み、女性のあとを追いかけた男は、貧しい女性が花を売って生計を立てている事実を知るのです。

男は女性を助けるために、花を育てる方法を教えてあげたいと思いましたが、彼は女性の前に姿を現すことができませんでした。醜い容姿のせいで、彼女が自分を愛してくれるはずはないと考えたのです。結局、彼が唯一できた事は、彼女がずっと庭に来れるように花を植えて育てることだけでしたが、彼は、女性が高値で売ることができるよう、新種の花を作ろうと思い付きます。

男は、多くの失敗を重ねた末に作り出した新種の花で自分の庭を埋め尽くしました。ところが、いつからか女性は姿を現わさなくなり、いくら待っても彼女は庭に現れませんでした。心配になった男は顔を隠しながら村に降りていき、女性がすでに病死していたことを知ることになるのです。

美女と野獣やオペラ座の怪人を彷彿させる、何とも切ない逸話ですよね。

ただ、これ、ご存じの通り、BigHitが拵えた作り話です。男が女性のために作った新種の花は、発見された地名をそのままとってスメラルドと呼ばれており、BTSのMV等に何度か登場していますが、これも自在しない花。

全てがフィクションというのは良いとして、それがあたかも真実であるかのように、数年にわたってBigHitが準備してきた小道具の数々が末恐ろしく、私は正直、戦慄が走りました。BTSのデビューショーケース日の2013年6月12日、12:04（ソクジン誕生日）にインスタにアップされたスメラルドの花の写真、スメラルド専門店?の店主のブログ、それらのアカウント名をつなげるとイタリア語で「Love Yourself」を意味するからくり。

スメラルドを2013年6月にイタリアで発見した?という店主のブログに登場する、スメラルド学会は2013年9月12日（ナムジュン誕生日）に創設され、その当時作られたホームページまで存在するようです。話に信ぴょう性を持たせるために、BigHitがWikipediaまで編集し、実在の人物まで織り交ぜたナレーションを作成している上に、スメラルド専門店の配達車両や実際の店舗の写真まで出回っています。

極めつけはスメラルドの花言葉：伝えられない心

詳細が気になる方は下記のブログをご参照ください。

BANGTAN LAB 防弾少年団研究所 (ameblo.jp)

いずれにせよ、ゾッとするのは、フィクションであることを明記せず、フィクションとノンフィクションの境界を限りなく曖昧にしている演出です。これを若干、悪質と感じるのは私が単に何事をも信じやすい性格で世間知らずだからかもしれませんし、あるいは単にBTSに関する知識不足で簡単な作り話を見抜けなかっただけのことなのかもしれません。実際、フェイクニュースの仕掛けに気づいた「韓国推理班」の皆さんや、上記ブログの著者はBigHitの用意周到ぶりに感激している様子すら伝わってきます。

その時点でエンターテインメントとしては成功ですよね。

だから多くの方が既にご存じであろう「スメラルドの真実」について今さら取り上げたってどうしようもないのだけれど、「Love Yourself」プロジェクトの誠実さに大きな信頼を寄せていた私としては、この事情を知った今、Wikipediaを編集しながらほくそ笑むBigHitスタッフを想像し、少し複雑な心境になっています。しかも、メンバーと会社の関係を見るに、彼らがこのドッキリに賛同していなかったはずはないわけで。

変な新興宗教に入信しちゃったかなぁと思うたびに、最後の頼みの綱は常にナムジュンで、どうしても言葉に依存してしまう私は、今でも、彼の国連スピーチの準備風景や、以前英訳を和訳してまで記事にした彼のVlogの内容を思うと、すべてが嘘ではなかろうと思うのですが、このフェイクニュースを前に、どこまでが捏造かわからない恐怖に怯えてしまうわけで。

実際、スメラルドの伝説について、原作を読みたいと探しているARMYもいることに関して、彼らはどういう気持ちだったんだろう。ハハ、本当に信じてやんの、5年前から練ってきた甲斐があったな、って感じだったのでしょうか。あるいは、こんなあからさまな作り話、さすがに気づかない方がおかしいだろってことだったのでしょうか。

あのパフォーマンス中、テテはどういう気持ちで涙を流したのだろう。他の3人はどういう気持ちで歌っていたのだろう。彼らの歌を聴いたら、私はまた心を動かされてしまうのだろうけれど。

「伝えられない心」

いずれにしても、この都合のいい花言葉を辿ってファンが目にするのは、デビュー時から捏造され、5年後にようやく日の目を浴びた「真実」。彼らがフィクションとノンフィクションの境を有耶無耶にしてでも伝えたいけれど、伝えられない真実なんて、果たして本当にあるのか、ないのか。

所詮エンターテインメントだし、そんなことどうでもいいじゃんと思う自分がいる一方で、少しばかり幻滅している自分がいるのも事実で。

真実、本心、真心。

彼らが頻用してきた言葉たち。

それらに弄ばれているのは私だけなのか。。。

こんなことで空しい気持ちになるなんてなぁ。今回、楽曲の歌詞を記載していないのは、正直それさえも面倒になったからです。

このブログは、今まで何度も言っている通り、自分を見つめなおす場所でもあり、皆さんのコメントやメッセージで考えさせられたり励まされたりすることもたくさんあるので、これからも大切にしていきたいのですが、自分なりの真心を込めて書いてきただけに、そして皆さんからも心のこもった感想をいただいてきただけに、今回知ってしまった虚構の真実に少しだけ傷ついているのかもしれません。

現実にならない夢の中で咲かない花を育てる

FAKE LOVEに出てくる一節ですが、エンターテインメント業界なんて結局そういうことなんですかね。所詮はすべてがスメラルド。フェイクラブで語られる言葉が唯一の真実だとしたら、これ以上ない皮肉。

因みに、スメラルドの伝説の舞台となったLa Città di Smeraldoを検索すると、下のような画像が出てきます。スメラルドはイタリア語でエメラルドを意味する言葉。チッタ・ディ・スメラルドは「オズの魔法使」に出てくるエメラルドの都だったわけですね。

そして「オズの魔法使」と言えば、映画でドロシー役を演じたジュディガーランド。彼女は60年代のアメリカで同性愛者に対して理解を示していた数少ない著名人の一人でしたが、父親がホモセクシュアルであり、自身もバイセクシャルだったとされています。そのため彼女の死のニュースは、当時のLGBTQコミュニティーに大きな動揺をもたらしたようです。

史上初のLGBTQ暴動として知られる「ストーンウォール反乱」は、ジュディの葬儀が行われた教会付近で葬儀翌日に起きており、彼女の死によるコミュニティ内でのショックが影響していたとも言われています。こうした経緯から、ジュディはLGBTQにとって象徴的な存在となり、現在「レインボーフラッグ」がLGBTQ解放運動の象徴として用いられるのは、彼女が「オズの魔法使」で歌った「Over The Rainbow」に由来しています。

さらにゲイを公言しているエルトンジョンが、ジュディへの追悼歌として書いた「Goodbye Yellow Brick Road」は、ドロシーたちが魔法使に会いに行くために通る道に由来するとのことですが（Wikipedia）、The Truth Untold（伝えられない真実）に隠された「スメラルドの伝説」をたどってついにたどり着くこれらの事実が、彼らの「メッセージ」かどうかなんて考えるのはもはやナンセンスですよね。

単にBigHitが仕組んだフェイクニュースの一部かもしれませんから。

最後まで読んで下さってありがとうございました♡