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誰も寝てはならぬ

誰も寝てはならぬ

あなたもです 姫様

冷たい部屋で 眺めておいでか

愛と希望に震える星たちを

だが私の秘密は閉ざされたまま

誰も私の名を知ることはできない

いいえ いいえ

あなたの唇に 告げましょう

陽の光が輝く時

 

私の口づけが沈黙を溶かすでしょう

そのときあなたは私のものになる

 

夜よ消え去れ

星々よ色褪せよ

夜明けに私は勝利する

勝利する

 

ファイル:Van Gogh - Starry Night - Google Art Project.jpg - Wikipedia

 

1月13日に複数のメンバーから相次いで海の投稿がありましたね。

 

日本のメディアではニュースになっていなかったかもしれませんが、2012年1月13日にイタリアのトスカーナ州ジリオ島の浅瀬でコスタ・コンコルディアが座礁事故を起こしてから今年でちょうど10年になるようです。32人の死者と60人の負傷者が出たこの事件、実は2014年4月にあのセウォル号事件が起きた際に様々なメディアで引き合いに出されていたようです。というのも、被害の規模は異なるものの、船長の行動(両船長とも後に殺人容疑で裁判にかけられています)や乗客の避難が遅れた点、捜索に不利な条件が重なったことなどが類似していたみたいですね。

 

2012年1月の日本はというと、2011年3月の東北大震災からやっともうすぐ1年という頃だったので、もしかすると別の国で豪華客船が引き起こした悲劇に胸を痛めている余裕もなかったかもしれませんが、ニュースの内容をぼんやりと覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。


In a world where you feel cold
You gotta stay gold
Oh baby Yeah

世界が冷たくても

金色の心を失わないように

ねえ そうでしょ?

 

追悼の思いで、と言うにはあまりにもお粗末ですが、何となくパッと思いついたイタリア語の歌を何か一つしっかり聞いてみようと思いました。それが上記のNessun Dormaだったわけですが、トゥーランドット姫に求婚し難色を示された王子の歌だということを今回初めて知りました。姫が王子の名前を夜明けまでに当てれば、結婚を諦めて命を捧げると申し出た王子の言葉を受けて、姫は国民に、王子の名が分かるまで寝ることを禁じたわけです(すでにご存じの方、今更すみません汗)。分からなければ国民を皆殺しにするという姫のお触れを聞いた王子が歌ったアリア。

 

オペラ自体はハッピーエンドで、最後、姫はついに王子と恋に落ち、「彼の名は『愛』です」と宣言するみたいです(ドラマチック!)。ただ、たくさんの命が懸かった月夜の歌を聞きながら、いろんな災害・事故・事件で残されたご家族のことを思っていたら、ふと思い出す文章がありました。1月13日から数えれば、ちょうど6年2ヶ月前に当たる2015年11月13日にパリで起きたテロ事件の被害者の女性のご主人がテロリスト宛てに書いた手紙です。

Bataclan victim's husband tells killers: 'You will not have my hatred' | Paris attacks | The Guardian

 

You will not have my hatred

あなたに私の憎しみは与えない

 

On Friday evening you stole the life of an exceptional person, the love of my life, the mother of my son, but you will not have my hatred.  I don’t know who you are and I don’t want to know, you are dead souls. If this God for whom you kill blindly made us in his image, every bullet in the body of my wife is a wound in his heart.  

金曜日にあなたは特別な人の命を奪った。私の愛する人であり、私の息子の母である彼女を奪った。それでもあなたに私の憎しみは与えない。私はあなたが誰か知らないし、知りたくもない。あなたは死んだ魂だから。あなたが神のために殺したというのであれば、そしてその神が我々を作ったというのであれば、私の妻の身体に突き刺さった銃弾のすべてはあなたの神の胸に突き刺さったはず。

 

So no, I will not give you the satisfaction of hating you. You want it, but to respond to hatred with anger would be to give in to the same ignorance that made you what you are.  You would like me to be scared, for me to look at my fellow citizens with a suspicious eye, for me to sacrifice my liberty for my security. You have lost.

だから、私はあなたを憎んであなたの思うツボになるようなことはしない。あなたは憎しみを欲しているでしょう。でも、憎しみに対して怒りで応じることは、あなたを作り出したのと同じ無知になり下がることだから。あなたは私を怖がらせようとしている。私が隣人に疑いの目を向ければいいと思っている。安全のために自由を犠牲にさせようとしている。しかし、あなたは敗北したのだ。

 

I saw her this morning. At last, after nights and days of waiting. She was as beautiful as when she left on Friday evening, as beautiful as when I fell head over heels in love with her more than 12 years ago.  Of course I am devastated with grief, I grant you this small victory, but it will be short-lived. I know she will be with us every day and we will find each other in heaven with free souls which you will never have.

私は今朝、妻を見た。幾日も幾晩も待ってようやく再会できた彼女は、金曜日に家を出たときのまま美しかった。12年前に私が彼女に恋をしたときのまま美しかった。もちろん私は悲しみに打ちのめされている。その意味であなたに小さな勝利を与えたことになろう。しかし、その勝利は短いものだ。なぜなら、彼女は毎日、私と息子のそばにいると私は知っているから。そして我々は、あなたが決して手に入れることのない自由な魂をもってして、天国で再会するに違いないから。

 

Us two, my son and I, we will be stronger than every army in the world. I cannot waste any more time on you as I must go back to [my son] who has just woken from his sleep. He is only just 17 months old, he is going to eat his snack just like every other day, then we are going to play like every other day and all his life this little boy will be happy and free. Because you will never have his hatred either.

私と息子は、世界中のどの軍隊より強くなるのだ。私はそのためにも、あなたにこれ以上の時間を無駄にするわけにはいかない。昼寝から目覚めた息子が待っているから。彼はたった17ヶ月だけれど、これまでそうしてきたように、これからおやつを食べ、そして昨日もそうしたように私と遊び、この子は一生、そうやって自由に幸せに暮らすのだ。彼だって、絶対にあなたに憎しみは与えないから。

 

ナチス収容所経験について書いた著書でヴィクトルフランクルも下記のような言葉を残していますね。

 

“Everything can be taken from a man but one thing: the last of the human freedoms—to choose one’s attitude in any given set of circumstances, to choose one’s own way.”

「人間は全てを奪われ得るが、必ず残るものが1つある。それは自由である。与えられたどんな環境においてもなお、自分の心の感じ方を選ぶ自由は残されるのだ。つまりそれは自分の道を決める自由のことである」


Stay Gold Gold
君さえいれば
Stay Gold
何もいらない
Stay Gold Gold
抱きしめたくて
Stay Gold
愛は果てなく
Stay Gold
光を放つ
Stay Gold
どんな星よりも
Stay Gold Stay Gold Stay Gold
Stay Gold

いつまでも Forever Gold

 

奇跡なら僕が見せてあげる
その手を出して

Stay Gold
夢の中でも
Stay Gold
探しあてるよ

 

覗き見する Moon Light
今宵眠らせない
握りしめたその手を
離したくはないよ

Stay Gold
 

この楽曲がリリースされた時、私は職場の人間関係や将来の計画に思い悩んでは嫌気がさして、いろいろと自信を失っていました(今もそれはあまり変わりませんが…)。当直による睡眠不足も手伝って、心が荒んでいつも厳しい表情をしている私に、歌番組を見ていた母が「これ、いい曲なのよ」と言ったのです。まだ沼落ちしていなかった私は「ああ、BTSね」とあまり気乗りしないままテレビに映る彼らに目を向けたのですが、そんな時、彼らが「Stay Gold」と何度も唱えていたのです。

 

だから、ジミンのPromiseではないけれど、私にとってこの曲の「君」は錆びついていく自分なのです。三浦しをんの小説の中でタバコについて指摘された登場人物が「肺も心も、汚すためにに生きてるんだ」というようなセリフを放つシーンがあったと思うのですが、それはそれでそうとして、それでも「誰も寝てはならぬ」の詞の通り、夜に負けず、どんなに部屋が冷たくても、そこから見える星が愛と希望に震えているのがわかるような金色の心を持ち続けていたいと、強く思ったあの日。

 

酸化しない金の心なんてもともと持ち合わせていないし、この1年半だけでも黒ずんだり錆びたりして失った輝きもあるに違いないけれど、この曲を聴くたびに自分自身がいとも簡単に手放してしまっている自由の大きさに気づかされます。

 

最後まで読んで下さってありがとうございました♡

 

最近、というよりいつもですが、真面目腐った話ばかりしているので、テテとBTSKさんのお力をお借りて皆様に癒しをお届けします↓