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ジミンが26回目の誕生日を迎えるとき私は少し忙しくなっていそうなので、今日のうちにずっと書きたかった4o'clockについて書こうと思います。

 

コールドムーン2020最新】12月30日は今年最後の満月、ベストな時間と方角を解説!

 

ある日

月に長い長い手紙を書いた

君ほど明るくはないけれど

小さなろうそくを灯して

 

薄暗い公園で

名もない鳥が歌う

どこにいるの

君は

なぜ泣いているの

ここにいるのは僕と君だけなのに

僕と君

 

深い夜をたどって

君の歌声が

赤い朝を連れてくる

一歩、また一歩

夜明けが過ぎて

月が眠りにつけば

僕のそばにいてくれた青い影は消えていく

 

いろんな解釈があるこの曲、分かれ道は「どこにいるの」からの一連を誰の言葉と捉えるかだと思いますが、個人的には、テテの言葉通り、ジミン(=名もない鳥)のことを歌った曲だと思っています。そして、ここで登場する鳥は、彼が抱える秘密を打ち明けられる唯一の理解者ということなのだと思います。月への手紙に託すしかないような胸の内を話せる相手が、「どこにいるの?」とさえずりながら飛んできて、「なぜ泣いているの?」と寄り添ってくれているわけですね。

 

実際、この詞を書くきっかけになった餃子事件のあと、改めてジミンと話をしたときに、「僕は君の助けになりたいんだ」と彼が言ってくれたことで「何本もの感情の矢が降って来る思いがして」この子を大切にしなければならないと思ったというようなことをテテはいつかのVライブで発言しています。いつかの旅路でお祖父さんを亡くして涙が止まらないテテを抱きしめるジミンの姿も思い出されますね。

 

上の詞で、テテが想っている相手を示唆する言葉があるとすれば、それは最初の「君」と最後の「青い影」だと思います。本当はずっとこの青い影と一緒にいたいけれど、鳥が優しい歌声で朝を連れてくる、これはすなわち2人が、あるいは焦がれる想いに飲み込まれそうになるテテが、夜の中に取り残されて孤立しないようにジミンが日中の世界へと手を引っ張って導き続けてくれたということなのではないでしょうか。

 

最初の投稿で触れた青と赤の世界がここでもまた登場しているのは興味深いですね。青=(外界向けの)ペルソナ、赤=真実の自分、というような話だった点を踏まえると、ここでは、月明かりが青い影の中に真実を包み込んで守ってくれるのに対して、赤い太陽は、まだ心にしまっておきたい真実の自分を無情なほどの明るさのもとに晒してしまうということなのでしょう。実際、ナムジュンのラップパートを見てみるとこの解釈と合致する印象です。

今日だって僕はほどほどに生きている

ペースを崩さず、ほどほどにボロボロになりながら

太陽は僕の息を詰まらせ

世界は僕を丸裸にしていく

もうどうしようもないから 仕方なく

月明かりのもとで、散らばった自分のかけらを拾い集めて

君のことを月の子と呼ぼう

僕らは月の子供だから

冷たい夜の空気を吸いこんで

そう、僕らは生死を同時に生きている

でも今だけは目を開けていられる

どこかの映画にでてくる あのセリフのように

月明かりの下では世界のすべてが青いから

 

ここでいう「どこかの映画」、Moonlightでは、マイアミの貧困地域を舞台に、「ダンス好きな少年が、何をも好きになることを恐れる青年に変化し、最終的に、犯罪者になることを好むかのような印象を与える大人になっていく様子」が3章にわたって描かれており、その過程で彼は、自らがゲイであることを自覚し、隠し、そして受け入れていきます。

 

ムーンライト』(Moonlight) シンプルだからこそ複雑な背景が見えてくる。 | シネマの万華鏡

 

この作品がリリースされた2016年、米国では警察による黒人青年差別がいつも以上に注目され、またその前年はアカデミー賞の演技部門に有色人種が一人も選ばれなかったということで人種差別や偏見に抗議する声が高まっていましたが、逆にこの作品の内容が「男らしい黒人アイデンティティーに傷をつける」として作品を批判する黒人の声もあったようです。自らも黒人である監督は、こんな話はどこにでも転がっている、彼らにとって成長とは、まさに「悲しみを感じる心に、怒りで麻酔をかけることを学んでいく工程」であり、そうやって大人になった人間と、我々は日常的に接しているはずなのにそれに気づかないと言います。

‘It’s impossible to be vulnerable’: how Moonlight reflects being a black gay man in the US | Moonlight | The Guardian

 

Let me tell you something, man. There are black people everywhere. You remember that, okay? No place you can go in the world ain't got no black people, we was the first on this planet.

ひとつ教えてやるよ。黒人はどこにでもいるんだ。これは覚えておけよ、世界のどこに行ったって黒人がいない場所なんてない。地球上に最初に現れたのは俺たちだからな

 

I've been here a long time. I'm from Cuba. Lotta black folks in Cuba. You wouldn't know that from being here, though. I was a wild little shorty, man. Just like you. Running around with no shoes on, when the moon was out. This one time, I ran by this old... this old lady. I was runnin' and hollerin', and cuttin' a fool, boy. This old lady, she stopped me. She said...

俺はもう長いことここにいる。出身はキューバだけどな。キューバには黒人がたくさんいるよ。ここにいたらそんなこと分かんないだろ。俺もお前みたいなやんちゃなちびっこだったんだ。月が出てるときは裸足のまま走り回ってた。そしたらある日、とある婆さんとすれ違ったんだ。俺が走りながら叫んでふざけてたら婆さんが俺をつかまえてこう言ったんだよ

 

"Runnin' around, catching up all that light. In moonlight, black boys look blue. You blue, that's what I'm gon' call you. 'Blue'."

「そうやって走り回って、光を全部持っていくのね。月明かりのもとではクロスケも青く見えるわ。そこのアオ!お前さんのことはそんな風に呼ぼうかしら、「青」って」

 

  So your name 'Blue'?

  それで「青」っていう名前になったの?

 

Nah. At some point, you gotta decide for yourself who you gonna be. Can't let nobody make that decision for you.

いや。自分が何者かは、いつか自分自身で決めなくちゃならない。他の誰にもその決断をゆだねるわけにはいかないんだよ。

 

これは、少年の主人公が父親のように慕う薬売りの男のセリフです。のちに、主人公は青い月明かりのもとでだけ、ありのままの自分になれることに気づくわけですが、それは他人に「青く見える」だけで、自分だけが知る真実は決して青くはないのです。上記のセリフでは黒い肌を有するアイデンティティーが強調されていますが、自分が愛する相手や、物事に対して抱く感情、やるせない思いや、悔しさ、初恋、自分を構成するありとあらゆる要素は、誰にどう見られようと、どう言われようと、自分だけのものだし、その真実は簡単に消えたりはしないということなのだと思います。

 

Morning Bird Pictures | Download Free Images on Unsplash

 

翻って、朝4時の薄暗い公園、残月が青く染める彼の想いが、本当は数えきれないほどの色彩を放っていることを、名もない鳥はよく知っていたのでしょう。その一つ一つの色が本人にしか見えないことも。

 

繰り返し歌われるメロディーの最後は「僕のそばにいてくれた青い影は」で終わっていますね。最後だけ「消えて」いかない点に関しては深読みしないでおこうと思います。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

*このブログの韓国語歌詞はすべてGeniusEnglishTranslationsの英訳を投稿者が和訳したものです。公式ではありません*