『台湾語と文字の社会言語学』,吉田真悟,2023.1.31

台湾語の状況とその文字化・表記について述べた本。

ざっと読んだだけだが読後感想を。

1.今までも台湾語について述べた書籍等はあったが,本書は直近の資料を交えた解説・考察で台湾語の歴史・状況・課題等を俯瞰できる良書だと思う。

2.ただし,台湾語の状況は現在進行形であるため,認識を深めるのはもちろんのこととして,拙速な理解を避けるため本書のみでなく台湾の歴史・社会言語学・先行資料等を読んでおく必要がある。

3.本書のカウンターになる資料が出て欲しいと思った。

(2023/09/24追加)

特に台湾語の文字化についての記述が多く,漢字・ローマ字についてインタビューをもとにした記述は興味深い。

また,ローマ字についてはPOJ (教会ローマ字)・TLPA・台語通用拼音・台湾閩南語羅馬字拼音方案(台羅)について詳しく述べられている。