昨日、家族でブランチに、サムカンペーンにある北タイ料理の店に行った。
最近、家族で、よく一緒に行動しているのは、金曜日には、娘が隣の県、チェンライ県にあるメーフォールアン大学の寮に入る為、暫く、家族で一緒に行動する機会が無くなる為。
娘に、どこに行きたいか？と聞いたら、北タイ料理となった。
北タイ料理は、日本の料理と違う発想なんだな、といつも思う。
日本は、どの県も、海に面して無い県でさえ、チェンマイより遥かに海に近い。
だから、新鮮な海の魚は、割と簡単に手に入る。
内陸にあるチェンマイは、魚と言えば、川や池の魚。ナマズやテラビアなどが多く、臭みがどうしてもある。
その臭みを消す為に、ハーブやライムや唐辛子など、様々な物を入れ、魚だけでなく、肉もミンチ状にして、それらと和えて、ペースト状にする。
日本🇯🇵料理の、新鮮な素材が命、と言うよりも、それも大切だけど、ハーブや香辛料の加減、それらのハーモニーが大切になって来る。
好き嫌いの多い自分は、北タイ料理に行っても、食べれる物が限られていて、例えば、上の写真の鶏肉とカレーソースの料理は、鳥がダメな自分には、そもそも、存在しない料理になる。
だから、自分が、北タイ料理店に行った時は、自分の注文するレパートリーは少なく、ほとんどいつも限られた物を食べている。
そんな少ないレパートリーの中に、新たな品が加わった。
それが、ヘット トープと言うキノコ。
このキノコの事は、以前のプログでも取り上げた。
雨季の最初にしか採れないキノコ。
しかも、山を焼いた場所の土の中に良く生える、と言うので、大気汚染の原因の一つである山焼きの元凶と言われていたりする。（どれくらいの割合が、このキノコのせいかは、定かではないけど）
自分は、喘息を持っているので、チェンマイの山焼きの時期、つまり、大気汚染の酷い時期は、命に関わる時期だった。
以前は、この時期に、日本🇯🇵に一時帰国したり、タイ南部に疎開していた。
イス軸法に出会ってからは、大気汚染の酷い中でも、何故か、呼吸が出来るようになっているので、長期の疎開はしなくなっている。
キノコ如きの為に、こちらの健康が犠牲にされてたまるか、と、いくら高く売れるから、と言って、キノコの為に山焼きをするな！と、内心、大気汚染の時期になると怒っていた。
ヘット トープを採る為の山焼きを、貧乏人の逆襲と言っている人がいた。
1kg700btから900btで売買されるヘット トープ。
娘のセブンイレブンでのバイト代が1日働いて350btだった事を考えると、キノコが生える場所がわかっていれば、簡単に一儲け出来る。
山を焼いた場所を覚えていて、雨季が始まったらそこに行けば、待っているのは、宝の山である。
松茸ではないんだから、キノコ如きに、そんな高値を付けるなよ、だから、山焼きしよるやんけ、と、喘息持ちの自分は、怒りと、懇願の気持ちを持ちながら、毎年思っていた。
それが、今年、ふとした事から、このヘット トープを食べてしまった。
自分にとったら、憎い、仇である奴を。
そうしたら、何と、美味かった。
キノコなんだけど、貝のような食感。そして、どこかクリーミー。
それ以来、ヘット トープにハマってしまった。
仇を好きになってしまう、と言う、昔の武家なら、ありえない状況になってしまったのである。
今日、娘が、北タイ料理に行きたい、と、言った時、正直な所、自分は、美味いんだけど、食べれるのが限られてるから、ちょいと飽きたかな、と思って乗り気では無かった。
が、
店員が、ヘット トープがありますよ、と言ったので、憎き仇なんだけど、好きになってしまった自分は、ヘット トープを、北タイ料理では、どう料理してくるのか、と、試してしまったのである。
やはり、北タイ料理。ハーブや香辛料、ミンチを使って和えてきた。
一口食べて、
「むっちゃ美味い！」
と、仇であるはずの、否、仇であるべきの、ヘット トープに、この日も、見事に心を奪われた。
来週、日本🇯🇵から来る親子に、
ヘット トープ、今ならまだあるで！
これ、むっちゃ美味いで！
と、完全に仇側に寝返って、宣伝する始末。
美味いものを出されたら、心変わりしてしまう、食いしん坊の自分の習性に、今更ながら呆れてしまった。
チェンマイには、今なら、まだヘット トープありますよ。私の仇だけど、皆さんも楽しんで下さい。
この複雑な気持ち、わかるなか？
