タイ🇹🇭チェンマイで毎日、日本語で話しかけていた友達。
クロちゃん🐈⬛。
最初は、血液の寄生虫と言われた。
次に、血液中の赤血球と血小板の異常。腎臓の数値の異常。風邪も引いている、とも言われた。
そして、FIV、猫のエイズである、と。
色んな症状が出て来て、エイズの末期症状と関係者は思っていた。
大学獣医学部動物病院に転院させた。
輸血しないと助からないと言われ、色んな人が協力して血を探して、輸血もした。
症状が良くなると思われたが、全く良くならない。
目見ないで話しをする女の医者は、何度も、決心出来ましたか、と安楽死を会長に勧めていたそうである。
目を見て一生懸命話す若い男性医師は、他の医者とは違って諦めてなかった。
その医師とクロちゃんは諦めてない。
なのに家族が諦めてどうすんねん。
若い男性医師は、もう一度血液検査をします、と検査した。医師は、クロちゃんはお腹を壊してませんでしたか、と言った。
クロちゃんのウンチを自分達は見た事はない。
そして、医師は、クロちゃんの病気を突き止めた。
これは、エイズによる症状ではなく、FIPである、と。
猫のコロナ。
伝染性腹膜炎。
若い猫が罹る病気。
致死率99.9%の病気であった。
会長は諦めムードだったが、自分は、娘に0.1%助かるなら最後まで諦めたらアカン。結果だけ見たら、死ぬか生きるか、50 50や!
クロちゃんが頑張ってんのに、俺らが諦めてどないするんや!と言うと、娘も、頑張れ!クロちゃん、と言った。
FIPに関して、近年、有効ではないか、と言われる薬が出て来た。
人間のコロナの飲み薬である。
試しに投与して見る、と、男性の医師。
が、
クロちゃんの容態は、日替わりだった。
亡くなる3日前には、女性の医者から、決心はついたか、と、又、会長に連絡があったそうだ。
決心はついたか、と言う文面だけ見せられたので、自分には、何の事かわからなかった。
最後にクロちゃんにあったのは、亡くなる2日前、若い男性医師の日だった。
クロちゃんは、間違いなくFIPです、と。
薬も効いて来ていて、様々な数値も良くなって来ている。ただ、危ない状態に変わりない。もっと早くわかっていたら、と言った。
この日、痩せ細り、全く動かなかったクロちゃんであったが、触っていると、目を開けて立ち上がってケースから出ようとした。
力がある。
ここから復活して来い。ここから10年生きたれ。
と、話しかけた。
そして、次の日、娘が制服を作る為、隣の県チェンライ県のミャンマー国境近くにあるメーファールアン大学まで行った。
片道4時間のドライブ。
クロちゃんを可愛がっていた娘に、状況を伝えた。
良くなりつつある、と。でも、危ない状況には変わりがない、と。
大学からの帰り道、病院から電話があった。
目を見て喋らない女性の医者からだ。
状況が悪いので楽にさせてあげましょう、と。
会長が、あんたどうする?と聞いて来た。
どう言う事?
薬を注射して殺す、と言う事。
自分の中の悪の面が顔を出した。怒り💢が込み上げて来た。
おーい、そのガキ、お前も楽にさせたろか!
ハイキックがええか、パンチがええか、膝蹴りがええか?
ハイキックは、気持ち良く眠れるけど、膝蹴りはのたうちまわるけどな、と。
そのまま、女性の医者に伝えたら、やからのクレーマー、脅迫と取られかねない。
会長は、何で医者によって言う事が違うんだろう、と、言った。
女性の医者は、皆んなネガティブな発言。
男性の医師のみが、助かる可能性がある、と。
自分は、冷静になってから、男性の医師がもうあかん、と言ったなら、しょうがない。他の奴の話は聞かなくて良い、と言った。
何故なら、助けようとしているのは、その医師だけだ、と感じたから。
会長は、男性の医師が来るのが明日と聞いて、明日まで待ちます、と言った。
その日は、クロちゃんの面会時間に間に合わなかった。
そして、その次の朝、クロちゃんは亡くなった。
5ヶ月も一緒にいなかった猫なんだけど、猫が亡くなって、こんなに悲しいのは初めてだ。
日本に居た時、ペットのお葬式と聞いて、何で?人間じゃないのに、と正直思っていた。
それが、今、自分が葬式を出す事になった。
庭に墓穴を掘って、冷たくなったクロちゃんを墓穴に入れる。
いつもクロちゃんの身体が触って温かったのが、クロちゃんの身体は、冷たくなっていて、硬直していた。
クロちゃんを触って、クロちゃんの死を確認した。
会長と娘と自分で、花🌸💐🌼を入れた。
娘にバイブルを用意させて、読んでやってくれ、と言った。
娘が悲しみで読めなくなった。
会長が、あんた代わりに読め、と言ったが、タイ文字で書かれたバイブルは読めない。
会長が、泣きながら読んだ。
命って何なんだ、と、あらためて考えた。
それにしても、何で悲しいんだろう。
お葬式を終えた後、雨が降っていた。天も泣いてくれてる、と娘に言ったが、太陽の周りだけ明るかった。
クロちゃんは、前世でも、絶対に友達やったに違いない、と感じた。