Ks君の心の成長を嬉しく思う。
5年程前から知っていて、ジムにも来てくれた子が、所属道場以外の空手の大会に初めて出て、体格で遥かに勝る選手達を倒して優勝した。
優勝したんだけど、その後が面白い。
彼は、
「優勝したけど、全然焦ってスタミナもなかったし、勝ち負けよりも心を強くして欲しいです。」と、師範に語った。
この子は、小学4年生の時に、担任の女性教諭への甘えからか、勉強に集中せずに、教室を自由に出たり入ったりしていたので、落ち着きがない子であると特別扱いされて、別室登校させられていた子。
それを聞いた自分は、その年の冬、その子のお父さんと一緒に、甘えが許されない、自分でしなければ何も始まらない場所に彼を連れて行った。
タイ🇹🇭チェンライ県の山岳少数民族の村、かつて秘境と言われた山奥。
ある意味、アジアの果ての言葉も通じない村に、小学4年生の彼一人を放置した。這い上がって来い、と。
又、翌年にチェンマイに来た時は、セレブの集まる高級カフェで、落ち着きのない行動をしていた彼と彼の空手道場仲間に、
「ここは、チェンマイの所謂セレブが集まってくる場所で、彼らは、君達を見て、日本🇯🇵の子供達はこんなんである、と考える。今日の君達の行動は、そう言う意味で行くと恥ずかしい。」と言う、と、
「僕は恥ずかしく無いです。」と彼が、言ったので、彼の頭をぐっと鷲掴みにして、
「そう言う考えなら、二度と来んな。お前が恥ずかしく無くても、俺は恥ずかしい。そして、お父さんはもっと恥ずかしい。」と、叱った。
その後、ピックアップトラックの後部座席に座ろうとせずに、荷台に乗ろうとする彼に、
「ちょっと言われた位で何逃げてんねん。男なら逃げるな!」と追い討ちをかけた。
その彼が優勝した。
そして、出て来た言葉が、もっと心を強くして欲しいです、である。
この子は、周りを良く見ていて、気の回る子でもあり、一緒にタイ🇹🇭チェンマイに来て、リングに上がった子が、試合をする度に心が強くなっているのに氣がついている。
「この子は持ってますね。」と、自分は、お父さんに言った。
試合結果だけではない。周りが見えていて、しかも、自己評価がしっかり出来ている。
「怒り甲斐(叱り甲斐)のある子ですね。」とも。
ちょっと言われて逃げて行くメンタリティ、負けたら理由を探すメンタリティ、勝ったら勝ったで直ぐ調子に乗るメンタリティの大人がいる。
時には、そう言う人物が指導的立場にいたりする。
そんな中、この子のメンタリティは、昇って行く選手のメンタリティである。
勝ち負けよりも心を強くしたい。
鍛錬。
武道で身体だけでなく、心も鍛えて練って行く。
これこそ、武道をやる意味の本質。
この子は楽しみな子である。
そして、この子が、戦う度に、心が強くなって来ていると言うリンタロウ。
昨年の夏、初めてムエタイに挑戦した。
そして惜敗。
そのリベンジに8月、再びタイ🇹🇭チェンマイにやって来る。
空手vsムエタイ
彼らが来るのが、今から待ち遠しい。