今になって思えば、最初、スワイショウは、そこに何かあると感じながらも、準備体操程度のものとしか考えてなかったかもしれない。もしくは、バランストレーニングの一種である、と。
だから、トレーニングのラウンドの合間に3分とか、時には、1分とか、短時間でやったりしていた。
元々、自分は、長時間同じ事をするのが苦手で、腕立て伏せを何回かセットにして300回やるんだったら、高重量のベンチプレスを少ない回数やる方か良い、と思っていた奴である。
それが、スワイショウを長時間やって気づいた事が多々あった。
先ず、色んなところに無駄に力が入っていたんだな、と。
それは、長時間スワイショウの後の筋肉痛に顕れていた。
筋肉痛が出る部分に必要以上の力(緊張)が入っていると言う事。
自分の場合、左足の太腿の外側。
これは、トレーナーとして、ミット練習の時に、選手に右ローを蹴らしていた事に起因するようだ。
ローキックを大きなミットで受ける人が多いかも知れないが、自分の場合は、太腿にパンチングミットを当てて、その上から思いっきり蹴らしていた。
パンチングミットで蹴りを受ける、は、ミット練習時に、反撃のパンチを入れやすい、と言うのもあるが、選手のローの破壊力を直接痛みとして確認する、と言う意味もあった。
気合いが入った時は、折って見ろ!と選手に気合いを入れると同時に、自分に気合いを入れていた。
結果、左足に過度な緊張を常にしいていた。
又、その結果、左足が悪くなり、そして、左の腰が痛くなっていたのだろう。
又、両足の太腿の前面。
これは、ウエイトをやっている時に、高重量でニーエクステンションをやっていたから、そこに直ぐに力が入るような身体になっていた。
太腿前面の過緊張により、立った時のバランスがぎこちなくなり、又、腹筋前面(腹直筋)の過緊張によって、反り腰の原因を作っていたかも知れない。
長時間スワイショウをやる事で、立つ、と言う事に関して、自然に立つ=体軸、中心軸で立つ、と言うより、いつの間にか筋力で立っていた、と言う事に気がつかされた。
その筋肉の過緊張が、人間が本来持っていたバランスを崩させて、それが身体の不調と言う形で顕れていた、と言える。
これは、全て、個人の感覚的確信から生まれた答えであって、それが、科学的かどうかは知らない。
ただ、現象として、スワイショウを長時間やって、それまで出ていた不調が緩和しているのである。
又、筋肉の過緊張は、全身を協調させた動きを阻害する。
一昨年、イス軸法に出会ってから、自分はウエイトトレーニングを休止している。又、コロナの時の引きこもり生活の時に世話になった一本歯下駄も今は、使ってない。
それは、全て、筋肉を固める→筋肉を緩める。
筋肉に頼る→本来のバランス、体軸・中心軸から力を出す。
への移行である。
ある意味、ウエイトをやっていた時よりも今の方が力があるし、一本歯下駄を使っていた時よりも今の方がバランスは良い。
結局、自分に取って、スワイショウは、無駄なものを削っていくものであると言える。
それは、自分に取って、ある意味、人生と同じく、無駄なものを削って行く作業である。
スワイショウは、一見簡単なようで、実は奥深いものである。