そこにジム近くのホテル&カフェのオーナーが便乗して来た。
便乗するだけでなく、あそこに行きたい、ここに行きたいとリクエスト。
観光旅行ではなく、日本🇯🇵の事を知りたい。文化や人に触れたいと言うので、一緒に行く事に。
その後、ホテル&カフェの奥さんの弟さん夫妻も急遽参加する事に。バンコクの都会生活に疲れたので自然の中でゆっくりしたいと言う事だった。
友達だと思っていたので、色々無理を聞いていたが、その時は近づいていた。
朝3時くらいに会長に起こされた。
体調が悪いと言う。
日本🇯🇵への旅行を楽しみにし過ぎてタイにいる時からワクワク感で寝れなかったようである。そんな中での移動と気温の変化。疲れが出て体調を壊した。
自分はタイから持って来た抗生物質を症状からしてこれだろう、と飲ませた。
しかし、素人判断は危険だろう、と病院に連れて行く事にした。
この日は、ホテル&カフェのオーナーのリクエストに応じて、伊勢へ。海女さんと夫婦岩、伊勢神宮、忍者、松坂牛が彼らのリクエストだった。
白馬から伊勢に。途中、温泉好きな会長の為に白骨温泉に寄る事になっていた。
また、花が好き、と言うのが最大公約数だったので、長島のなばなの里に寄る事になっていた。
会長を病院に連れて行く為に白骨温泉をパスする事に。
会長の症状からもっとも適した病院をネットで調べ、病院の評判などもチェックした。
そして、全員を車に乗せて8時に出発である。
車のナビに病院の住所を入れた。
朝食を前日、車で通り過ぎた時にあったファミリーレストランでする事にした。
しかし、大阪なら24時間営業であるそのファミリーレストランは、朝9時からだった。
結局、またまた、朝ごはんはコンビニである。
レストラン&カフェのオーナーは、病院は調べたのか、ナビに入れたか、など色々うるさい。
「朝から調べて、ナビに入れた。」と、言うと、
「インターネットを信用するんだ。」と、険のある言い方をした。
しかし、異変が、、、。
高速道路を走って松本方面に向かっていたのだが、車のナビは突如、高速を降りるように指示した。
おかしい、と思ったが、後ろの席に座っていたレストラン&ホテルのオーナーがナビを覗き込んで、
「左や!高速道路を降りろ!」と調子に乗って指示して来た。
おかしい。こんな田舎に病院があるとは思われない。
するとナビが狂いだした。
同じ場所をグルグル回しだした。
道に迷っている。これは引き返した方がいい。カーナビの地図はおかしな方向を示している。
車を停めてiPhoneのナビに病院の住所を入れ直していると、突如、ホテル&レストランのオーナーがカメラを持って車を降りて、リンゴの木の写真を撮り出した。
こっちは診察が午前中で、最終受付が11時半と言うので急いでいるのだが、御構い無しである。自分の興味関心でしか動いていない。
iPhoneのナビを頼りに再出発。iPhoneのナビは高速に戻るように指示した。でも、何故、カーナビは高速道路から急に降りるように指示したんだろう。
道路案内標識を見て、ギョッとした。
オカルト?偶然?
その看板は、
『姥捨山』とあった。
彼らを捨てて行け、と言う意味?
松本の病院に着いて、診察が終わった。自分の見立て通り。
昨夜飲ませた抗生物質が効いて来ていて、多分、大丈夫とは思っていたが、旅行を続けて行く上での注意点などを改めて聞いた。
自分は、タイからもしもの時の為に抗生物質をいつも持って来ている。
タイでは処方箋なしで抗生物質が手に入るから。
扁桃腺をよく腫らす日本の友人が、タイから日本🇯🇵に来る時に抗生物質を持って来て欲しい、と言った。
それで彼が経営している大阪の会社の事務所に持って行った。
会長が体調が悪いと言った前日、同行のタイ人の1人が歯が痛いので薬局に行きたい、と言った。
薬局に連れて行って、痛み止めを買おうとしたら、痛み止めではない、と言う。
彼は、抗炎症剤、つまり、抗生物質が欲しい、と言った。
大阪の事務所に抗生物質のほとんどを置いて来たので、持ち合わせがあまりない。でも、歯が痛いのは大変だろう、と抗生物質をいくつかあげた。
そして、会長の体調が悪くなる。また、抗生物質を渡す。
会長を連れて行った病院で処方された抗生物質は、自分が持って来た抗生物質よりも弱いやつである。治らなかったら追加がいる。
友人に連絡して理由を言って、事務所の分かる場所に置いておいて欲しいと頼んだ。友人は大阪にいなかったので、大阪に戻ったら事務所に行って抗生物質をもらおうと思った。
病院から出て来たらタイ人の彼らは居なかった。
病院の近くのショッピングモールに行っていた。
奥さん連中は、ショッピングをして大はしゃぎである。
待たせて悪かったと恐縮していたが、喜んでいてくれたのならいい。
車を再び走らせ名古屋から長島へ。
目的地はなばなの里である。
ここは友人の紹介で、今、インスタグラムなどでこの場所が人気である、と。又、花が沢山あり温泉もあると。
なばなの里に4時前に到着した。駐車場はガラガラだった。
多分、夕方、陽が沈む頃に人が集まってくるんだろう。
と、言うのはなばなの里は、夜のイルミネーションが有名だから。
国営アルプス安曇野公園よりも人口的な作りである。
ただ、花の数と種類が豊富である。
雨が上がり、気温が下がったのか、信州と変わらない気温だった。
イルミネーションの時間が6時50分からだったので、集合場所を決めて、それまで自由行動にした。
正直、やれやれであった。
陽が傾くに従って風が強まり肌寒く感じた。信州は朝から雨だったが、ここは雨が上がっていた。
イルミネーションの時間まで温泉に入る。ここの温泉、中々綺麗でお勧め。会長はこの温泉が気に入り中々出て来なかった。
光のトンネルをくぐって会場へ。
しかし、自分が友達だと思っていたカフェ&レストランのオーナーは、こちらの予想を裏切る行動に出て来た。
熊本の復興を願ってのイルミネーション。
完全なる人工的美。魯山人が見たら、、、。
でも、これに満足するタイの人達だった。
夜8時になばなの里を出発して伊勢、鳥羽、二見浦へ。
鳥羽の海女さんのやっている民宿やホテルに泊まれば、伊勢海老や鮑などの海鮮料理が食べれたのに。
自分がいつキレてしまうか心配してTomoyuki選手や大阪の友人がラインや電話をして来てくれた。
伊勢まで行って海鮮料理が食べれない。魯山人ならブチギレだろう。魯山人でなくても食いしん坊ならブチギレである。
しかし、この日も素泊まり、料理は付いていない。
やはり車のナビの調子が悪い。ナビはその旅館よりも夫婦岩に案内するのであった。時間は夜の9時を回っていた。
このカーナビあかんな、iPhoneのナビに切り替えや、と車を停めてiPhoneを触っていると、例のホテル&カフェのオーナーが勝手に車を降りて目の前のホテルに入って行った。
自分は、iPhoneのナビからゲストハウスの場所を調べた。
ホテルの中から例のオーナーが自分を呼ぶ。もう自分はその場所を把握しているのに出しゃばった事をする奴だ。
その時はまだ、顔を立ててやろうと、そのホテルの従業員の方の説明を聞いた。
そして、iPhoneのナビに従ってそのゲストハウスについた。
そこは元々保養所のあった場所だと言う事だが、小さな町の医院のような作りだった。隣に中学校がある。
夜10時前だと言うのに、子供の遊ぶ声がした。でも、なぜだか子供の姿は見えない。
駐車場に到着するなり、奥さま方が怒り出した。
「誰がここのゲストハウス予約入れたんや!」
安いのには安いだけの理由がある。
それより安い料金で頑張って経営されている人にお前ら失礼やろ!
ここの従業員の方は明るい気さくな方で、自分は好印象を持った。
今から空いてる店はないか、と聞くとスーパーならと言って場所を教えてくれた。
部屋は大部屋男女共同。風呂は男女時間別である。
部屋で食事を取られると後片付けが大変なので、食堂で食べて欲しいと。また、後片付けは、分別など外国人はわからないだろうから、その受付の方がする、と言ってくれた。
そのゲストハウスは、気功整体の道場にもなっていて、その受付の男性が気功整体の先生をされているようであった。
その方が、
「どうかされましたか?」と、自分に聞いて来た。
自分は
「別に大丈夫です。」と答えた。
しかし、その時、修羅場が展開されていた。
奥様方は、大部屋雑魚寝を知らされてなかったようで、誰がこのホテルの予約を入れたと言って駐車場て、ブチギレの状態が続いていた。
これは、予測の範囲内である。チェンマイ在住の日本人の方が、自分が反対しても聞く耳を持たないカフェ&レストランのオーナーに腹を立てていた時、
「タイの金持ちは、なんでも自分でさせて見て、失敗してから気がつけばいいんです。」と言っていた。
そして、彼は旅行中、彼のホテルの予約に反対した自分に対して対抗心を燃やして、逐一いらん事を言って来た。しかし、遂にその間違いに気づく時が来たのである。
何度も言う。自分は大丈夫である。学生のバックパッカーなら大丈夫。でも、一応、タイの上流階級の人でお手伝いさんがいつもいて、と言う人には大部屋雑魚寝はキツイだろう。
このホテルの予約を取ったのは彼ではなく自分だと。
その会話を駐車場で聞いた会長が、血相を変えて自分に知らせに来た。
「あんたが悪者にされてるで!」
「そう来るなら別にそう思わしといたらええ。」
友達やと思っていたのが、そうでなくなった時であった。
しょうむないヤツやな。クズやんけ。
やはり、この時もあの本のタイトルのお陰で腹も立たなくなっていた。
後は、淡々と予定をこなすだけである。ただ、しょうむない旦那に騙されて日本に連れて来られた人達は可哀想かな、とは思った。しかし、その人達にも違和感が残っていた。
一生懸命働いている旅館の人に失礼やろ!そんなんやったら来るな!と。
会長は、収まりがつかずに、奥さん連中に真実を話しに行った。予約したのはソイツである、と。
奥さん連中が、自分の所に来た。悪いと思ったんだろうか。でも、自分は彼女らにたたみかけるのであった。
「今日の所より、明日の所の方がもっと大変ですよ。明日の所は、風呂なし、トイレは共同でボットン便所ですから。あの人は一番値段の安いとこしか見てませーんから。」
「・・・」
奥様方が凍りついた。
落ち着いた?所で、深夜まで空いているスーパーに買い出しである。
スーパーで自分は刺身を買った。
宿に戻って食堂でゆっくり、一人刺身を食べているとTomoyuki選手から電話。
「先生!今日は何を食べたんですか?」と。
「今、丁度マグロの刺身食べてる途中やで、スーパーの。」
「エっ 伊勢まで行ってスーパーの刺身ですか?」
「何を言う。安曇野で買った本わさびを鮫皮のおろしでおろして食べてるよ。後、安曇野で買った長野県産のコメを使ったおにぎりと、長野県産のヨーグルトや納豆。」
「先生!頑張って下さい。」とTomoyuki選手。
しかし、往生際が悪かったのはヤツだった。
嫁はんに嘘がバレたのに、
「あいつが海の近くがいいと言ったから海の近くを取ったんや!」と最後まで責任転嫁していた。
会長は、
「あんたは友達やと思っていたみたいやけど、あっちはそうやなかったみたいやな。気をつけた方がいい。」と言ってくれた。
「いや、それがわかっただけでも収穫やで。」