企業城下町 | 「何時か見た青い空」 フィリピンへの誘い

「何時か見た青い空」 フィリピンへの誘い

青い空と青い海に囲まれて、今なお残るスペイン統治の面影。この国に旅してみたい、住んでみたいという方の参考になればと思います

企業城下町(きぎょうじょうかまち)とは、特定の一社の企業の事業所や工場及び関連会社の工場や下請け子会社などが一自治体における産業の大部分を占め、その企業によって住民が主たる労働機会を与えられることで、その企業の盛衰が都市の盛衰に直結するような都市を指す言葉」 (Wikipedia
 
日本では、トヨタ自動車の豊田市や日立製作所の日立市が思い浮かぶ。
 
フィリピンにも日本企業ゆかりの企業城下町がある。
代表的なのは、セブのバランバンとダナオ市である。
 
バランバン(Balamban):

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常石造船のHPより

セブ島で、セブ市の裏側に位置するバランバンに拠点を置くのが常石造船
1994年に設立され、3万トンから18万トン級までの貨物船建造能力を有する。
「ツネイシレポート2016」によると、協力会社社員などを含めた従業員数は13,000人。
常石ができる前の1990年には45,000人だった町の人口が、2015年には87,000人にまで増加した。
フィリピンの所帯人数は多いので、このくらいの人口だと、町全体が常石で成り立っているといっても過言ではないだろう。
会社が町の医療や教育も支援しているので、良い意味で、英国産業革命当時の空想社会主義者ロバート・オーエンが目指したニュー・ラナークの工場を彷彿とさせる。

かつて、マグサイサイ大統領を乗せた飛行機の墜落事故現場として知られた寒村を発展させたのは常石造船のお蔭といってもよいだろう。
 
 
ダナオ市(Danao):
セブ市から北へ40数キロ、昔の勢いは無くなってしまったが、企業城下町として忘れちゃならないのがダナオ市。
ミツミ電機1989年にこの地に工場を設立、現在では世界市況の悪化による人員整理で数千人規模に落ち込んでしまったようだが、最盛期には数万人の従業員を雇用していた。
従業員のレクリエーションの一環である社内旅行では、数十台(いや数百台かも!)のバスを連ねて出かけたという話は有名。
私もダナオ出身という子に何人か会ったことがあるが、みな、「ミツミで働いている」とか、「かつて働いていた」といっていた。
こちらも、銃製造とセメント鉱山の町を工業都市に変えた。