下肢の痛みと大腿筋膜張筋 | ひびのおと

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千葉県市川市で治療院を経営しているので健康に関する内容が多いです

左脚の坐骨神経痛が主訴で来院の60代女性

整形外科や治療院をいくつか受診したけれど良くならない

友人の紹介で御利用いただくこととなりました

 

 

患部は左臀部から下肢にかけて

 

(趣味のゴルフでスイングをするとき)

「左脚で壁をつくろうとすると痛いんで」

「それを避けようとして変な動きになって… もう2年経ちます」

 

実際に動きをみせていただくとスイング終盤で左脚に重心がかかるときに痛みが発生

ゴルフクラブを持たずにゆっくり動作を再現しても痛みは発生

 

ほかに日常生活で主訴がでる場面を確認するとスポーツジムでのストレッチという回答

施術ベッドで実演していただくと左脚(患側)を前方に伸ばして(右脚は外転外旋で)下腿後面を伸ばす動き

これは坐骨神経痛の判断基準となるSLRテストと同じ性質の動作

 

ここまでの情報から左の坐骨神経痛という判断は妥当に感じます

治療ポイントは〈腰椎の左側〉〈仙腸関節〉〈梨状筋〉を中心に〈脊柱起立筋〉〈大腿四頭筋〉〈腸腰筋〉といった治療方針を組み立てたくなります

 

 

しかし御紹介で来院される方はスタンダードな組み立てで効果がでないことが多い

 

 

まずはゴルフのスイング動作を物差しにして施術

その結果をみながら次の方向を探ることにします

 

具体的には次の3つの流れを提案


1.背臥位で両ひざを立てた姿勢

2.両脚を左右に倒すことで体をひねる動作を再現

3.痛みや違和感がでるタイミングをみつけて治療ポイントを特定

 

 

結果として両脚を左右どちらに倒しても痛みも違和感も無し

ゆっくりしたゴルフスイングで再現された痛みがでないわけです


腰椎や梨状筋と主訴の関係が薄いようにみえます



そこから消去法で大腿筋膜張筋に意識が向きます

側臥位で患側に筋膜リリース

 

 

 

確認のためゴルフのスイングやスポーツジムでのストレッチをしても痛み・違和感はなくなりました

 

大腿筋膜張筋の緊張は大腿部の前面を走る大腿神経に慢性的な緊張を与えることがあります

今回は坐骨神経痛と診断されていたものの大腿神経痛と考えられるケース