ホメオスタシス(恒常性)と疲労感 | ひびのおと

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メモ代わりに日々のなかで気持ちが向いたことを更新 
千葉県市川市で治療院を経営しているので健康に関する内容が多いです

ヒトが生命を維持できる条件は思いの外限定されている

わかりやすいものとしては体温
低すぎても高すぎても生命に関わります

深部体温が37.5℃を超えると熱中症
28-32℃では死亡率が40%の低体温
その差は10℃もありません

呼吸と関係の深い血中酸素濃度の正常値は99-96%
これが95%になると〈かなり息苦しさを感じる〉という状況

食事と関係の深い血糖値は低すぎると冷や汗 動悸 意識障害
高すぎると口渇 多飲 多尿の症状がみられ長期的には糖尿病へ進行


この数日は気温や気圧が大きく変化
それに対応して体内環境を一定に保つ自律神経に負担がかかります

心地よい室温・湿度での睡眠
消化のよい味の控え目な食事

身体に心地よい環境でゆったり過ごすことが対策になります





ホメオスタシス
homeostasis
 生物の生理系(たとえば血液)が正常な状態を維持する現象を意味する言葉で,〈等しい〉とか〈同一〉という意味のhomeoと,〈平衡状態〉〈定常状態〉の意味のstasisを結びつけて,アメリカの生理学者キャノンW.B.Cannonが1932年に提唱したもの。恒常性とも訳される。

 直接外環境の変動にさらされているバクテリアや単細胞の動植物とちがって,多細胞生物は体表に外被(皮膚,樹皮など)があり,体内に体液,樹液があるので,細胞にたいする外界の影響は多少とも間接的なものになる。多細胞生物の細胞にとっては,生体内の液体が直接の環境であり,その恒常性を維持することは,細胞が正常にはたらくために有利な条件である。動物の体液について,このような恒常性の重要性を指摘した最初の人は,フランスの生理学者C.ベルナールであり,体液を内部環境と呼んで,その固定性を生物の独立生活の条件とみなした。彼の概念をキャノンがホメオスタシスという語で生体の一般的原理として発展させたのである。

 多くの多細胞動物は,内部環境である血液の性状,すなわち酸素,二酸化炭素,塩類,ブドウ糖,各種タンパク質などの濃度やpH,粘度,浸透圧,血圧などを,一定の範囲に保つ調節能力を備えている。また定温動物では,体温を調節する機構が発達している。このような調節は,一般に神経とホルモンによって行われ(神経性調節と液性調節),中枢神経系の中に特別の調節中枢が存在する場合が多い。特定の受容器で血液の物理的・化学的性状の変化を検知し,自律神経系や神経-内分泌系によって,定常状態に戻す方向の指令を発する。その結果,血液に生じた効果は再び中枢にフィードバックされて,指令が修正される。神経性調節でも液性調節でも,特定の調節機構には,通常拮抗的にはたらく複数の神経やホルモンが関与しており,あるものは促進的,あるものは抑制的に作用する。たとえば,われわれの血液中のブドウ糖の濃度(血糖濃度)はふつう80~100mg/100mlであるが,食後にこれが増加する。この増加が膵臓(すいぞう)からのインシュリンの分泌を刺激する。インシュリンは筋肉や肝細胞の糖吸収を促し,血糖濃度が低下する。血糖濃度の低下はインシュリンの分泌を抑制する。膵臓から分泌されるもう一つのホルモンであるグルカゴンと副腎髄質から分泌されるエピネフリン(アドレナリン)は,インシュリンとは拮抗的に血糖濃度を上昇させるはたらきがある。定温動物の体温調節では,血液の温度や皮膚温の変化に応じて間脳にある体温調節中枢が自律神経系を通じて,皮膚毛細血管の拡張・収縮,皮膚の緊張・弛緩,立毛の程度などを変化させて,体表からの放熱量を調節し,チロキシンやエピネフリンなどの分泌を増減することによって,産熱量を調節する。

 ホメオスタシスは元来上記のような個体の生理系の維持を表す語であったが,その適用の範囲は生理学の分野以外にも広げられ,生物系の種々の階層における安定した動的平衡状態を表すのに使われるようになった。たとえば,生物群集における種の構成の安定性を生態的ホメオスタシスとよび,また,同種の個体群における遺伝子分布の安定した平衡状態を遺伝子ホメオスタシス,発生過程で一定した表現型を発現する現象を発生的ホメオスタシスという。
執筆者:佃 弘子