雲梯(うんてい) メモ | ひびのおと

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うんていで伸ばせる運動能力は「リズム感覚」、「筋力(握力、腕力、背筋、腹筋)」、「空間認識力」です。

うんていはぶら下がったり、渡ったりしながら遊びます。自分のからだを腕だけで支えるため、握力や腕力、背筋、腹筋が鍛えられます。また上手にぶら下がりながら渡るには、リズム感覚と空間認識力も必要になるため、楽しみながら運動能力を伸ばすことができます。


うんてい独特の腕を伸ばしてぶら下がる動きは背骨を真っ直ぐにし、胸を広げます。胸郭と肺の成長を促し、より多くの酸素が脳に供給されるようになります。

また、横棒を握り込むことで手のひらの感覚の刺激になり、神経の発達を促進させます。更に離れた横棒をつかみながら進むことで奥行きの認識力と目と手の連動性を高め、手先の作業を行う時の集中力を高めるのです。


うんていを使ったトレーニングは、握った物を離さない「受動握力」を鍛えることに役立つだけではなく、投げる動作に近い体の使い方をすることによるトレーニング効果も期待できます。

特に成長期前から成長期にかかるジュニア選手は、大人の体重になる前の段階であり、体が軽いということがトレーニングしやすいというメリットもあります。

投球動作は下肢の力を体幹に伝達し、体をひねりながらその力を腕から手、手からボールへと伝えていきます。うんていは下肢の力を使わず、体幹から上肢にかけての動きで前に進むのですが、このときに必ず体をひねる動作が加わります。

また腕を伸ばしてぶら下がっているため、背骨はまっすぐになり、胸郭が広がって、肩の関節可動域(関節の動く範囲)もまた広がりやすい状態をつくり出します。この状態から体をひねって前方へと進むため、肩関節だけではなく、肩甲骨そのものの動きもよくなり、投球動作に近いトレーニングができるということになります。

技術が未熟なときや試合などで力が入りやすい場面などでは、体ではなく肩や肘を大きくひねって投げようとしがちですが、こうしたフォームで繰り返し投げていると肩や肘を傷めることになります。体をひねるという動作を覚えることで、投球時の肩や肘への負担を減らし、ケガの予防にもつながると考えられます。

体を大きくひねることがトレーニングのポイントになるため、うんていの動作に慣れてきたらなるべく体を大きくひねり、2段飛ばしくらいの距離にチャレンジしてみましょう。この動作を繰り返していると、投げる動作だけではなく、握力や背筋、肩周辺部などの筋力強化にもつながります。さらに腕を伸ばして体を支えているので、肩の腱板筋群(インナーマッスル)の強化にもつながります。