心に対する施術 | ひびのおと

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メモ代わりに日々のなかで気持ちが向いたことを更新 
千葉県市川市で治療院を経営しているので健康に関する内容が多いです

『先日は素晴らしい整体を有難うございました!
お蔭で自分の身体ではないと思えるくらい軽くなりました。
またぜひお願いできればと思います。その際はよろしくお願いします。』
 
 
職場の人間関係で精神的に調子を崩して休職中の方から、施術後にうれしい連絡をいただきました。

御紹介で来院されたこともあり、電車で1時間以上かかる街から足を運ばれた状況。

初回で多少なりともお役に立てたようで安心しました。
 
 
しかし精神的な不調は、私のような専門外の人間が安易に受け持ってはいけない分野の一つです。
 
 
確かに体の緊張が解消されると、心に余裕が生まれることはあります。
 
 
土砂降りな天候で来院された患者さま。
施術後にコンビニエンスストアに立ち寄ったのですが、買い物を終えて傘立てをみると自分の傘もふくめて1本も残っていません…
 
「そのとき、『困っているひとがいたんだなぁ』って思えたんです(笑)」と、その後日に話していただいたことがあります。
 
 
体が楽な状態だと、小さなことでマイナスな感情になりにくいようです。
つまらないことで嫌な気持ちになることが、「もったいない」ような感覚でしょうか。
 
 
そんな効果も、長期的でゴールがみえないストレスがかかっている場合は話が別です。
 
会社で交渉を担当する立場の患者さまからの言葉ですが、「大事な商談の前にマッサージを受けると、厳しい駆け引きができなくなるんだよね...」と相談を受けたことがあります。
 
体の緊張が解消されると、戦う気持ちになるのが難しいようです。
そんな状態で攻撃的な人間関係の環境に身をさらしたら、良くない結果になることは想像の通りです。
 
 
そして本格的に精神を病んでしまうと、その回復に10年以上の時間がかかることもあります。
 
実例としては厳しい職場環境に馴染もうと無理をしていた30代後半の当時に、頭痛 眼精疲労 背中を中心とした凝りで来院された患者さま。
無理を重ねた結果疲労感がぬけないことで外出もままならず、生活保護を申請してから12年になります。
 
現在は薬が効かないくらいの、頭痛をはじめとした身体症状がでると来院される状態。
施術をすると「これで夜に眠ることができそうです」という程度の効果ですが、かなりの強刺激で体の緊張にアプローチをします。
 
そのとき私が治療ポイントにするのは、僧帽筋上部繊維 脊柱起立筋群 呼吸に関係する筋肉 胸鎖乳突筋 表情筋を中心とした全身。
 
鍼治療も利用して筋肉の緊張を解消することで、強制的に体をゆるめるアプローチです。
一定の効果はあるのですが、所詮は対処療法の一種。
 
 
心を治すには、それを専門とする職種の受診が必要だと私は考えます。
 
長く御利用いただいている精神科のドクターの説明によると、急性期は落ち着かせることが最優先。
パソコンでいえばフリーズしている状態なので、一般的には服薬などでとにかく気持ちを落ち着かせることが最優先。
 
それから休養しつつ取り組むのは「認知」とのこと。
 
どのような手段であれパニック状態になった状態が落ち着いて、外部からの情報に意識を向けることができる段階で認知療法を勧めるようです。
 
その理由は外界との関りでストレスが生じる行動・反応パターンのままだと、遠からず同じような急性症状に陥るから。
 
 
認知療法、特にグループ療法に参加することで自分の受け止め方を相対的に認識するきっかけになるようです。
この分野は私の専門外なので、詳しい情報は「認知療法」や「グループ療法」で検索することが参考になると思います。