心がつくりだす痛みということ | ひびのおと

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千葉県市川市で治療院を経営しているので健康に関する内容が多いです


なんらかの理由で心に大きな負担がかかると、それと向き合うことから意識を逸らす目的で、無意識に体に症状を起こすことがあります。

代表的なものでは、お腹の痛みや喘息などです。

このように心のトラブルが原因で起こっている体の症状は少なくありません。

当然ですが、回復には体だけではなく心への専門的なアプローチが必要になります。



さて、もう7年以上お付き合いのある患者さまですが、以前は施術で治っていた背中の痛みが昨年くらいから変化しにくくなりました。
 
いろいろ考えながら施術をしますが、現在の私には治すことが難しい状態。


痛みが治りにくくなった頃に生活環境の変化があり、大きなストレスになっていることは聞いていました。 

心療内科の先生にも、背中の痛みは心身症だという説明は受けていらっしゃるようです。
 
 
 
先日御予約をいただき、一生懸命に施術をしましたが、やはり背中の痛みを完全にとることはできません。  
 
「これは、うちでは治せないと思います。」とお伝えしてから、残り時間で骨盤の調整をします。
 
すると、「あれ、楽になりました・・・」と、患者さま。
 
いろいろ動いて確かめていますが、たしかに動きはスムーズです。
 
 
しかし私は「今回も効果は期待でていないな」と思いました。

着替えを終えた患者さまがお会計をする際に、「いまは背中の痛みはどうですか?」と確認すると「痛みが少し戻ってきてます・・・」とのこと。
 
 
心身症の機序から考えると不思議ではない返答です。
 
 
心の問題から注意を逸らすために、体に症状を作り出す。
    ↓
患者さまにとっては[体の症状]なので、体を扱う施術者から「うちでは効果を期待できません」と言われると困ってしまう。
    ↓
その直後の施術で、一時的に症状が緩和する。
    ↓
しかし、体の症状が無くなると、意識に余裕ができて心の問題と向き合うことができてしまうので、身体症状をなくす訳にはいかない。
 
 
私の経験上、本当に症状がなくなると患者さまは笑顔が浮かびます。
 
それが今回は、施術で背中の痛みがなくなった時に表情はネガティブでした。
 
背中の痛みは不快ではあるものの、症状がなくなると困るのだと考えると辻褄があいます。