毎年お誕生日になるとひょっこり現れるこびとは偶然居合わせた私の友人を物珍しそうに見て トムと呼ぶことに決めたようだ

友人に懐いて後をついて歩いては 一生懸命トムと呼んでいた

私以外に初めて見る人間だから嬉しかったのだろう

 

こびとは絵を描くのが得意で 私の色鉛筆を羨ましそうに眺めていた

それから絵のモデルにするために かわいい女の子を探しているみたい

 

友人が帰っても なにやらぶつぶつと「トムがかわいくて」とか「トムがかわいかったら」とこぼしていた

こびとはお誕生日が終わると本棚の隙間から帰って行った

 

お誕生日の数日後に現れた君はきっと1年後のこの位の季節になったらまたひょっこり来てくれることだろう