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おさらい

Iさん…後輩のアメリを食った既婚者、多分遊び人

Nさん…Iさんと仲のいい社員。普通のお人。

Nさんに誘われて 、今日3人で飲みに行くことに!

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ふぅ。ほろ酔いでご帰宅。


Nさん&Iさんと行ってきたのは、会社の近くのちんまりしたバー。

でも雰囲気むんむんな店じゃないから、割とわーわーしゃべっても平気。


まぁ、Iさんは一般的にもてるの分かりますわー。
家は横浜にあるんだけど忙しいくて会社に近い都内に寝に帰る家を持ってるから、

独身て言えば独身で女の子だませるのに、

「嘘はつきたくないから女の子にはちゃんと結婚してること言うよ、指輪もしてるし。変なとこ真面目なんだよね。」

と言って、彫りの深いタレ目をさらにタレ目にして、笑う。


こっ…この手にみんなだまされるのか><


「lafayは考えてるときの顔がいいよね、なんてゆうか色気ってゆーの?」


なんだなんだっ今月号のLEONに
「ちょいワルオヤジは女のピンポイントをほめろ」
とでも書いてあったのかっ!?

しかもあんまりしゃべったことないのに開始10分で名前を呼び捨てにされてるぞっ!


顔もいい。

金も稼いでる。

遊んでそうなのに真面目な面を見せる。

女心をくすぐるツボをほめてくる。
あーこりゃ一般的にはもてるわ。
多分。



で、徐々に恋愛トーク。


「lafayはどんな男がタイプなの?」


「うーん。根本的な価値観が同じ人かなぁ。バラエティ番組より世界紀行とか自然とかの番組が好きだったり。ポイ捨てをしないとか。親を大事にするとか。浮気しないとか。そういう部分が同じ人。」


「ふぅん、おれはそういうとこ違う子のがいいかな。自分と価値観が違う子。テレビ見ててもありえないとこで笑ったりすると、すごく興味持つ。lafay彼氏いるの?」


「いる」


「ラブラブ?」


「順調」


「だって、残念だったねN~」


「いやおれ知ってるし。知った上でもう口説いてるし」


「早!あそぉ、じゃぁさーねぇねぇlafayおれとNだったらどっちがいい?」


ううんこの言葉、すごいダサい。

Iさんはもうこの時点でちょっと酔ってて、こんなLEONに

「おれと○○どっちがいい?はNGワード」

って書かれてそうなことを聞いてしまったのだと思う(笑)


「やー、それねぇ超定型文でダサいー」


「あうっそ。じゃぁいいよ。もう」


ここで本気でショックそうにすねるところは、Iさんかわいい。



そんなくだらん表面上トークがずっと続いて、最後のほうで。

Nさんがトイレに立ったとき。


「なんかさ、おれ正直、lafayのこと、なんでか口説きたいと思わないんだわ。

おれコレぶっちゃけ、女の子ならかわいきゃ誰でもいいって思ってるとこあるのね。

でも、lafayすごいかわいいのに、口説きたくならないんだわ。

なんでだろってずっと考えてたのね。

で分かった。

lafay、隙がないんだわ。

これほめてるんだよ、一応。

既婚者のつけこむ隙のある女ってのは、要は女としての自分に自信をなくしてる女ってことが多いよ。

lafayみたいな自信満々の子は、既婚者にはつけいる隙がないってこと。


「私自信満々じゃないよ。時々、不安になる、自分の考えとか、自分の生き方に。

でも、私、自信あるなしじゃなくて、自分を好きでいられる生き方をしていきたいなぁとは思っていて。。。

なんか隙もさ、いろいろあると思うのね、

無邪気って意味の隙だったりとか。

でも、ねばねばしたもんがもれてそうな甘えとしての隙、

そうゆう隙を男に見せるようになったら女として、ねぇ。。。ちょっと終わりだと思ってるから。」


「じゃぁ、女として終わりたくなったらおれに隙を見せてねー。

そしたらおれと一緒に女を一からはじめようねー」


不協和音。

気の利いたエセ口説き文句。

この人、大事な部分で私と共鳴しないなぁ。


私はこの人に対する人間としての興味も、これ以上話す気も、一瞬にしてストンと抜け落ちた。


今日、アメリのことは聞けなくても、そういう不倫の話とかいろいろ聞きたかったのに、Iさんへの興味がもうなくなってしまって、なんだかどうでもいい合コンに参加したように、やる気をなくした。


ちょうどNさんが戻ってきたので今日はお開きにした。


Nさんにこっそり2件目いこうよって言われたけど、明日朝早いからって撤収してきた。



別に、IさんやNさんはちっとも嫌いじゃない。


でもときどき、自分以外の人種を全員憎悪してしまう瞬間が私にはある。


そんな偏狭さはもうここ数年なくしたつもりだったけど、まだ生きてるんだなー私の中に、とふと思った。