中学卒業と同時に渡米し、長らく日本を留守にしていた吉田倫。
吉田は旧友である寿司屋の主からの誘いに応じて、中学の同窓会に赴いた。
同窓会のメインイベントは当時作ったタイムカプセルを皆で開けること。
タイムカプセルの中に入っていたのは、アイドルのブロマイドに『明星』や『平凡』といった芸能雑誌、『なめ猫』の缶ペンケースなどなど。
三十年以上前に流行した懐かしいグッズの数々に、同級生たちの会話が盛り上がる。
そんな中、吉田の紙袋から出てきたのは『ビニ本』に『警棒』、そして小さく折りたたまれた『おみくじ』だった。
それらは吉田が中学三年の夏休みに出会った、中学生ながら屋台を営む町一番の不良、東屋との思い出の品で…。
平凡な「僕」と不良の「あいつ」、正反対の二人が出会った、ひと夏の切ない物語。
上田健次さんのこの本を読んだら面白くて
違う作品も読みたくなりポチッと。
お話を読んでいると、やたらと美味しそうな描写が出てくる、出てくる…
なんでだ?!と思ったら、【日本おいしい小説大賞】の作品なんですね😄
1980年代の東京。
【明星】【平凡】等の雑誌、なめ猫、自販機のハンバーガーとか出てくる時代背景なので、読みながら「懐かし〜い」と思う方もいるかもしれません←私はちびっこだったけどなめ猫や自販機のハンバーガーはわかります。明星に平凡も😁
主人公の吉田くんとテキ屋の東屋くんは中学3年生。
夏休みに2人が出会い、そのひと夏の出来事のお話です。
昭和の懐かしい空気感、中学3年生という思春期の友情、そこに入り込む大人の世界……。
言葉で表現するのがちょっと難しいけれど、寂しさや切なさの混じる様々な感情が伝わってきます。
美味しいものを食べたり飲んだり、いろんなことを話したり、たったひと夏の出来事だけれど、たとえ過ごした時間が短かったとしても、一緒に過ごした時間はとても濃かったと思います。
濃い時間って、何度も思い出したりするもんねぇ…
ラストがねぇ…切ないっ。
ぜひ読んでみて下さい。
無償に焼きそばが食べたくなります😁