著:富山 太佳夫
2008年5月16日 第1刷発行
株式会社岩波書店
堺市立図書館より貸出
本書は英文学者の著者が
「英語青年」などに投稿していた
エッセイや論文などを纏めた本です。
イギリスにサバディカル留学時の話や
作品論、批評理論への考察などが
掲載されています。
「描出話法」や「読者反応論」など
知らなかった批評理論を知るきっかけになりました。
作品の分析では「ファニー・ヒル」が特に
興味深かったです。
19世紀のポルノグラフィーとは異なり。
当事者間の同意に基づく性行為が
「ファニー・ヒル」では描かれていると
著者は指摘します。
大学院のコースワークエッセイで
ヴィクトリア朝のポルノグラフィーについて
調べたのでポルノグラフィーの変節に
関心を抱きました。
ジェーン・オースティンやロレンスなどの
作家論への見解も印象的でした。
英文学に関心がある方にお薦めの本です。