シンポジウム ヴィクトリア朝の/と人形(劇)
2023年11月18日 12:30-15:30 ZOOM
昨日は毎年楽しみにしている
ヴィクトリア朝文化研究学会に
オンライン参加しました。
午後のシンポジウムではヴィクトリア朝の
人形にまつわる研究発表がありました。
最初の発表は
「動かない人形のドラマ
ーディケンズを通してみる人との関わり方」
発表者: 東京理科大学 松本靖彦氏
ディケンズ作品に出てくる人形の描写を
通して人形と人との関わりを明らかにする
発表でした。
Bleak Houseのエスタが
ヴィクトリア朝の理想的な子ども像をしている
人形に話し掛け、それを葬ることの解釈が
印象的でした。
またロボットにモデルの特徴を入力するほど
それに反比例して人間らしさを失う点が
非常に興味深かったです。
次は
「ヴィクトリア朝のパンチ&ジュディ」
発表者:中京大学 岩田 託子氏
ヴィクトリア朝の人形劇の代表である
ジュディ&パンチが現代とヴィクトリア朝で
どのように変化しているのかと
幻灯文化と映画というメディアに
ジュディ&パンチがどう取り込まれていくかを
明らかにした研究発表でした。
ヴィクトリア朝では木偶性、ストリート性、
そしてヘンリー・ジェームズ(Henry James)が
"large, loose, bassy momster”と称した
ぷくぷく性がジュディ&パンチの特徴でした。
現代のジュディ&パンチは極彩色、イベント性、
キャラ減と話の短さと変化しています。
最後に
「背後で操るのは誰だ?
ー『パンチ』誌から眺めるインド大反乱」
発表者:明治大学 加藤 匠氏
パンチ誌に風刺画として掲載された
ジュディ&パンチなどの人形劇の中に
インドを巡る当時の政治状況や
オリエンタリズムを読み取る発表でした。
どの発表も非常に知的刺激に溢れ
勉強になりました。
来年は環境が大きく変わりますが、
オンラインでの参加を続けられたらと思います。