著:ブレイディみかこ

 

2019年5月30日 第1刷発行

株式会社岩波書店

ドーンセンター情報ライブラリーより貸出

 

前から読んでみたかった本を読了しました。

およそ百年前に実在した三人の女たちの本です。

日本のアナーキスト、金子文子、

英国のサフラジェット、エミリー・デイヴィソン

アイルランド独立の為に戦ったスナイパー、

マーガレット・スキニダーの

三者三様の命を懸けた戦いの記録の本です。

 

金子文子とマーガレット・スキニダーのことは

本書で初めて知りました。

金子文子は大正時代に同志、朴烈とともに

大逆罪に問われた人物です。

実際には何もしておらず、国家に対しての

反逆的な思想と空想的テロの計画により

死罪の判決を受けます。

恩赦を拒否し、獄中自殺します。

国家に殺されることも、生かされることも

拒否した彼女は本当に反体制の人だと感じました。

この本を読んで知ったのですが、

2017年に「金子文子と朴烈」という題で

映画化されています。

 

マーガレット・スキニダーは祖国アイルランドのため、

1916年に起こったイースター蜂起で闘った女性です。

イースター蜂起とその市街戦のことは詳しくなかったので

本書で知れて良かったです。

女性で初めて英国で議員に選ばれた

マダムことコンスタンス・マルキエビッチとともに

アイルランド独立のために闘います。

有名なコンスタンス・マルキエビッチのことは

知っていましたが、

凄腕スナイパーであるマーガレット・スキニダーの

祖国独立にむけて全身全霊で戦う姿に感動しました。

 

サフラジェット、エミリー・デイヴィソンのことは

知っていましたが、本書では孤独にも怯まず何も恐れず、

1人で向う見ずに闘い続ける

アナーキーな女性として描かれていました。

 

三人の国家権力と体制に対する闘いと

アナーキーな生き様に触れることができ、

簡単に真似できないその強さに圧倒されました。

 

またアナーキズムについて考える機会にもなりました。

ドーラ・マーズデンもアナーキズムに傾倒していましたが、

アナーキズムがマーズデンの思想に

どのように影響を与えたかや

アナーカ・フェミニズムについて

もっと学びたいと思いました。