『野外上映会の殺人』
C・A・ラーマー 著 創元推理文庫
マーダー・ミステリ・ブッククラブの面々は
映画を鑑賞し殺人事件に遭遇する
目と鼻の先で起きた殺人に、さっそく鼻を突っ込むが……
クリスティ愛好家の読書会、難事件に挑む
【内容(「BOOK」データベースより)】
クリスティの『白昼の悪魔』を映画化した『地中海殺人事件』の野外上映会、もちろん〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉はそろって参加した。ところが映画が終わったとき、ブッククラブの隣の女性が絞殺死体で発見された。いくら映画に夢中だったとはいえ、目と鼻の先で人が殺されていて気づかないなんて。容疑者が多すぎて警察の捜査が難航するのを尻目にブッククラブの面々がまたもや独自の調査を開始する。人気シリーズ第3弾。
《マーダー・ミステリ・ブッククラブ》シリーズ第三弾!
このシリーズは、屈託なく気楽に読めるので楽しい読書になる。
ミステリとしてもしっかりした構成になっているので満足感もある。
クリスティの『白昼の悪魔』を映画化した『地中海殺人事件』の野外上映会が殺人現場というのが憎い。
クリスティが大好きな《マーダー・ミステリ・ブッククラブ》の面々にとっては、首を突っ込まずにはいられない。
野外上映会は、それぞれ敷物を持ち込んで座り、100人ほどの参加者がギューギュー詰めで、隣との距離がそれほど離れていない中での殺人は難しいはず。
殺人の起きた敷物の近くの数グループ10数人に警察は話を聞くが、目の前の殺人に誰も目撃者がいないという不思議。
《マーダー・ミステリ・ブッククラブ》の6人は、嬉々として警察の捜査に協力するが…
読了
犯人は大体想像がつく人だったが、アリバイ崩しのトリックはあの『白昼の悪魔』に通ずるものがある。
このシリーズの1作目の読書会のテーマが『白昼の悪魔』で、どんな内容なのか読後読んでみたが、なかなか面白かった。
そして今回の3作目も『白昼の悪魔』を原作とした映画上映の公園が殺人現場となるのが興味深い。
シリーズとしては、やっぱり1作目が一番面白くて、今回の3作目は、ちょっと読書会メンバーの個性が発揮されていないような気がして残念。
そして、後半になるまでなかなかメンバーの活躍がなくスピード感もない。
今回は警察の出番が多くて、聴き取りに時間を費やしたのがスピード感をなくし、ちょっと退屈してしまう嫌いがあった。
でも、気を張らずに読める本なので、それなりに楽しめた。