ZRS-4 USS Akron 1:2000
(Scissors and Planes - Rata's Recolours)
アメリカ海軍飛行船 USS アクロン号
今年の作り納めはちょっと変わって飛行船
第一次世界大戦前後のいわゆる飛行船全盛期を象徴する飛行船の一隻
当時の航空機はまだ航続距離も積載量も心もとない為
長距離・長時間の哨戒には飛行船が用いられました
その大きさはなんと全長240m、戦艦並みのサイズの飛行船が
空に浮く姿は圧巻だったかと思われます
更に船内には航空機の格納庫まで有し
5機の戦闘機(カーチス・スパローホーク)を搭載
空中ブランコのような係留装置を用いて空中での航空機の
発進・回収が可能という、ロマン風に言えば空中空母のような飛行船でした
巨大飛行船の可能性と、そして当時の技術に対して過剰ともいえる要求を背負って
建造されたアクロン号ですがその巨体はやはり運用が容易な物ではなく
1931年の就役から3年の間に破損と長期修理を繰り返し
そして1933年、悪天候の中行われた訓練飛行において突風に巻き込まれ墜落
乗員70名近くが死亡する大事故と共にアクロン号は失われました
奇しくもアクロン号の墜落から1か月後
アクロン号と同時発注され建造が遅れていた2番機メイコン号が就役
アクロン号で得られた教訓と運用ノウハウを元により有効な運用が期待されましたが
こちらも就役期間はわずか2年余り、メイコン号は任務中に突発的に遭遇した嵐が原因で
洋上に不時着、沈没してしまいます。
唯一の幸いは乗員の殆どを失ったアクロン号に対し、その教訓をもとに
救命胴衣や救命筏を十分に備えていたメイコン号では殆ど死者は出なかった事でした
かくして2隻の巨大飛行船をどちらも3年に満たない運用期間で喪失してしまった
アメリカ海軍は巨大硬式飛行船の建造を打ち切り、小型の軟式飛行船の増産へと
シフトしていきます。
型紙はScissors and Planesシリーズでも珍しい飛行船のモデル
元のスケールも流石にいつもの1:100ではなく1:1000スケールです
今回はF-toys等の艦船コレクショントイでよくある1:2000スケールに縮小して印刷しています
どんなに巨大でも飛行船なのでその形状は
引き延ばしたラグビーボール型と言った感じ
断面形も真円なので製作はシンプルです
航空モデル的には巨大なドロップタンクのようでもあります
エンジンマウントとプロペラ…は流石にこのスケールだと紙屑のよう
巨大な船体と裏腹にそのエンジンは500馬力×8のガソリンエンジンという
今日視点では非力にも見える物でした
搭載機のスパローホーク
流石に胴体を円筒型に作るのは無理なので貼り合わせ板の胴体に
翼を取り付ける形、全幅9m程の複葉機なので1:2000で5mmほど…米粒のようです
型紙にはスタンドが含まれていなかったのでここは適当に自作
20世紀初頭のニューヨークの航空写真をネットで拾って
加工、支柱はシンプルに針金です
これで完成、エンジンや搭載機の細かさには苦労しましたが
形状自体はシンプルなため数時間の工作で完成です
モチーフ的には結構面白かったのでまた機会があれば別の飛行船も作ってみたいですね














