題は未定

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月初にここで取り上げたK君。先週末もキチンと出勤してくれた。

 

こういう時に行動が早いのが中小企業。朝礼の後、K君は工場長に呼ばれて面談。その後、工場長だけ現場に戻ってきて、K君の作業を代行。昼休み、いつも通り弁当に歓喜するK君の姿はなかった。

 

「やっぱり引き留められなかったのかね…」

 

と、社員達が心配していたら、工場長が、

 

「Kのことなら大丈夫!今、総務部長と不動産屋に行って、この近くで部屋探してる。

社長が『求人費用を考えたら安いもんだ!すぐに手配しろ!』って」

 

と、経緯を説明。すると、食堂にいた社員一同、

 

「おおっ!そりゃ良かった」

 

と、安堵の声。

 

K君は今日から工場の近くのビジネスホテルに滞在し、次の土曜日に会社の2トントラックで引っ越しをすることに。当日は製造の班長と、K君のお父さんと3人で作業するそうだ。

 

決断は速く、即実行。

これこそ個人・零細企業に必要なスキルである。なかなか難しいことだけど・・・

 

 

労働者にとって最大の楽しみは昼食。特にデスクワーク以外の、身体を動かす人間にとって「昼飯」は最大の関心事である。

今はスマホを見ながら食べる人が増えたとはいえ、気の合う仲間とワイワイやる風景はあまり変わらない。

 

しかし、昔から、「食べ物の怨みは恐ろしい」という通り、時にはもめ事の原因にもなったりする。

 

自分と同時期に働き始めた社員で唯一残ったK君(25歳)。自称「コミュ障」で、仕事は周りの同世代より若干遅いものの、真面目に黙々と働く。その彼が真逆の陽気キャラに変貌するのが食事の時。仕出し弁当を食べ始めると大声で、

 

「うまい!うンまい!ここの弁当、マジ最高っす!オレ、幸福度マックスっす!」

 

と、これを毎日欠かさず歓喜する。

工場長始め、周りの多くの社員も彼の幸せそうな姿を見ては癒されている。でも、中には少ないながら嫌がる人もいる。

 

その筆頭が契約社員で最古参のN氏(47歳)。

「のろまな新入りが毎日弁当でガキみたいにはしゃいでいる」のが我慢ならなかったらしい。昨日の昼、とうとうブチ切れて、

 

「おい、K!おめえ、毎日毎日うっせえんだよ!」

 

と、本人の胸ぐらを掴んで怒鳴りつけた。K君の向かいに座っていた工場長が立ち上がって、

 

「N!おめえこそ何してんだ、ゴルァ‼」

 

と、N氏の襟首を掴んで会議室へ連行していった。そして、N氏は昨日付で懲戒解雇処分にしたと発表された。

幸い、K君はいつも通り出勤してきたのだが、タイムカードを打刻してすぐ総務部長に、

 

「自分、ウザイっすか?Nさん、自分と同じ中学の先輩で、家も近いんです…」

 

と、心配そうに聞いてきたそうだ。総務部長と、K君の姿を見て駆け付けた工場長が、

 

「K、そんなことねえ。アイツ(N)のことは気にすんな。なんなら社長に頼んでアパート借りてもらおうか?」

 

と、必死でフォローしていた。何しろ無遅刻無欠勤で素直に働く、貴重な日本人の若者。零細企業にとっては「金の卵」である。

 

K君、明日も出勤してきてくれ!

 

昨日から「正式に」営業部へ配属となった。辞令も何もない。

 

営業部長の斜め前に座らされての初仕事は、明後日からの値上げの見積作成。それも昨日・今日だけで200件!

 

作成⇒部長が電子承認⇒共有フォルダから拾う⇒メールで送信

 

・・・というやっつけ仕事である。しかも零細企業らしく、

 

「包材が足りない!」

「事前連絡のない空のコンテナが返ってきた!」

 

などと、休む間もなく内線で呼び出されて、工場・倉庫と事務所を往復しながらの作業である。

 

肩書は関係ない。その場しのぎを繰り返すのが零細企業の宿命。

 

その場をしのげなかったら?社長は夜逃げ、会社は倒産。

 

会社って、本当にあっという間に破産しますよ。

 

とにかく明日は月末。明日を乗り切れば10月を迎えられる。。