事務所のドアを開けたら目の前に大きなカウンターが鎮座し、机が6人分並んでいた。一番奥の窓側に独裁者、ならぬ社長が座っていた。同名の独裁者殿とは真逆で、瘦せ型だった。
そんなに大きくはないが張りのある低い声で、
「やあ!いらっしゃい。ワタシが○○○こと、金川です。ここは狭くて応接室もないんで、そこの空いている椅子に座って!」
と、声をかけてきた。
「は、はい。sugar-caneです。よろしくお願いいたします」
事務室は応接セットもなく、社長席の斜め前に座らされた。李部長の席らしい。
「部長の李が貴方のことを強く勧めるもので、お会いしたいと思いまして。
本当は日本橋辺りのレンタル会議室でも借りようかと思ったんだけど、ウチの現状を知っていただいた方が良いと思って、こちらまでお越しいただきました。
本名だと色々と煩わしいので、普段は通名を名乗っています・・・」
と、語り出した。結局、面接そのものは15分くらいで終わった。
意外なことに、隣りの大陸や半島人の男には珍しく、大風呂敷を広げるタイプではなかった。
帰りもまたベンツで最寄り駅まで送ってもらった。李部長曰く、明後日くらいには合否の連絡をするそうだ。どうなることやら・・・。